現代によみがえったTC24-B1Z、元祖を継承しながら進化も続いていく!!|OS技研 TC24-B1Z 誕生から完成までを追う 最終回【4】

新しい技術を加えつつ進化していくTC24‐B1Z

       
【3】から続く

6回にわたってTC24-B1Zの製造工程を紹介してきたが、今回が最終回。
ヘッドまわりのカム&バルブタイミングの調整、カムギアトレイン、補機類を装着していくが、緊張感をもってパーツを組み込む姿は、まさに真剣勝負。
その結晶となる9000rpmを許容するモンスターエンジンが誕生する。

【OS技研 TC24-B1Z 誕生から完成までを追う 最終回 Vol.4】

 今年のJCCA富士ジャンボリーで、1分53秒637というコースレコードを打ち立てた「オカザキスピードTC24Z」。このマシンに搭載されていたエンジンは、市販のTC24‐B1Zとほぼ同じだが、燃焼室形状やバルブサイズ、バルブアングル等は、1981年に発表された元祖TC24‐B1を、今も踏襲している。
「このエンジンのすごいところは、正にそこです。40年も前に設計されたエンジンが、今もトップを走れるんです」とチーフエンジニアの富松拓也さん。
 動弁系の改良など、耐久性や信頼性を高める工夫はされており、今後も随時アップデートされていく。ただし、「基本設計は変えません」と富松さん。岡崎前社長が築いたOS技研が誇るTC24‐B1Zは、その意志を継承し、さらなる頂きを目指して登りつめていく。



>> 【画像32枚】TC24-B1Zの組み立て作業。その最終工程はカム&バルブタイミングの調整、カムギアトレイン、補機類の装着と進む

Specifications

エンジン形式 : OS TC24‒B1Z
シリンダー配置 : 直列6気筒
冷却方式 : 水冷
総排気量 : 3208cc
ボア&ストローク : φ89.0mm×86.0mm
圧縮比 : 12.3
最高出力 : 400ps/7700rpm(参考値)
最大トルク : 40kgf/6200rpm
許容回転数 : 9000rpm
カム配置 : DOHC
バルブ配置 : 24バルブ
燃料供給方式 : キャブレター or
スポーツインジェクション


TC24-B1Z用にオイルポンプを開発

TC24-B1Zのオイルポンプは、圧力に応じて作動するリリーフバルブを通過したオイルを、いったんオイルパンに戻す仕組み。リリーフバルブを通過したオイルはキャビテーションによる気泡が多いため、そのままエンジンに送ることはさける。





高回転型のTC24-B1Z用にオイルポンプを開発。高回転時に油圧が高圧になり、リリーフバルブが作動する。その際に、気泡が発生するため、その余分なオイルを、いったんオイルパンに戻して対処すためのバイパスが設けられている。





加速Gを考慮し、オイルパンのオイル溜まりは車種を問わず、後方設計。冷却フィンを備えたこのタイプはS30Z用だ。


OS技研 創業者 岡崎正治前社長



TC24-B1Zは、岡崎正治前社長の技術者魂が作り上げた夢のツインカム24バルブエンジン。その性能の高さはOS技研で働く社員みんなの誇りとなっている。


初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

OS技研 TC24-B1Z 誕生から完成までを追う 最終回(全3記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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