耐久性に嫌疑がかけられていたロータリーエンジン。ありもしない汚名を晴らすため、マツダはレース界へ乗り込んだ|1971年式 マツダ コスモスポーツ【1】

補助灯は普段はカバーをしている。イエローラインが19号車、レッドラインが18号車だった。

       
【1】「耐久性がないのでは?」と、登場前からあらぬ嫌疑をかけられていたロータリーエンジン。東洋工業(マツダ)はそのありもしない汚名を晴らすべく、レースの世界へとコスモスポーツを送り込んだ。マラソン・デ・ラ・ルート84時間。RE車初めての耐久レース完走、その1台がレプリカとしてよみがえった。

【1971年式 マツダ コスモスポーツ Vol.1】

【画像27枚】マラソン・デ・ラ・ルート19号車仕様(レプリカ)。夜間の高速走行時などに虫がフロントウインドーに付着するのを抑制するボンネット(バグ)ガードもワンオフ製作して装着。ボンネットピンで固定し脱着可能となっている

1967年、東洋工業(マツダ)が初めて市販したロータリーエンジン(以下RE)搭載車がコスモスポーツ。

RE搭載の市販車はすでにヴァンケルスパイダーがあったものの、世界初となるその量産にあたって、REの耐久性に疑問をもつ者もおり、試作車を全国のディーラーに貸与し、公道走行による連続耐久テストを実施するなど、積極的なアピールが行われた。

その一環で、海外の耐久レースであるマラソン・デ・ラ・ルート参戦に白羽の矢が立った。これは、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)を84時間にわたって連続して走り続けるレースだ。

【2】に続く



>>補助灯は内側からマーシャルの709フォグランプと、ドライビングランプ。ステーは写真や模型などから、形状を類推して製作した。

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主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 コスモスポーツ(L10B)

■エクステリア:マラソン・デ・ラ・ルート19号車仕様
■エンジン:10A型(491cc×2ローター)、サイドポート、3㎜金属製アペックスシール、永井電子機器製MDI
■吸排気系:ウエーバー48IDA、φ50mmワンオフステンレスタコ足、 φ50mmワンオフステンレスマフラー
■冷却系:純正ラジエーターOH、オイルクーラーOH
■駆動系:純正5速ミッションOH、デフOH
■サスペンション:(F)エナペタル製ビルシュタイン(R)強化板リーフスプリング、KYB 8段
■ブレーキ:純正ベース使用でレーシングパッドに張り替え
■ホイール:純正 15×5.5J
■タイヤ:アドバン・ネオバ 185/55R15

【2】へ続く

初出:ノスタルジックスピード vol.024 2020年4月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 マツダ コスモスポーツ(全5記事)

TEXT:NORIO FURUKAWA/古川教夫 PHOTO:MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) COOPERATION : MIZUKAMI AUTO/水上自動車工業

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