9000rpmを許容するモンスターエンジン! 組み上げに30時間を要するTC24‐B1Z|OS技研 TC24-B1Z 誕生から完成までを追う 最終回【1】

TC24-B1Zがいよいよ完成!

       
6回にわたってTC24-B1Zの製造工程を紹介してきたが、今回が最終回。
ヘッドまわりのカム&バルブタイミングの調整、カムギアトレイン、補機類を装着していくが、緊張感をもってパーツを組み込む姿は、まさに真剣勝負。
その結晶となる9000rpmを許容するモンスターエンジンが誕生する。

【OS技研 TC24-B1Z 誕生から完成までを追う 最終回 Vol.1】

 1基を組み上げるのに、30時間ほどを要するTC24‐B1Z。組み立て作業の最終工程は、カムの装着工程から始まる。IN側、EX側ともにカムホルダーキャップを全て取り外したら、カムホルダーのカムジャーナルとのアタリ面にオイルを適量塗り伸ばす。全てのホルダー部にオイルを塗ったら、カムシャフトを、ジャーナルとホルダーの位置を合わせて、静かにセットする。ズレや傾きのないことを十分に確認したうえで、先に取り外したカムホルダーのキャップを再度セットする。その際、指定のトルクを確認しつつ、指定の順番で手締めにて固定する。なお、TC24のカムジャーナルへのオイルは、カムホルダーとロッカーシャフトを介して摺動部にダイレクトに供給されるシステムで、オイル切れにより焼き付けを起こす心配はまずない。

>> 【画像32枚】TC24-B1Zの組み立て作業。その最終工程はカム&バルブタイミングの調整、カムギアトレイン、補機類の装着と進む



【カムシャフトをセットする - 1 】
TC24-B1Zの開発者、岡崎正治先代社長が手作りした種カムを元に、カム研磨機で製造される専用カム。材質は高強度なクロモリ鋼で、加工後に焼き入れ処理でさらに強度が高められている。




【カムシャフトをセットする - 2】 超高回転で駆動するパーツだけに、セッティングは慎重のうえにも慎重を期す。まず、カムホルダーのキャップを外し、カムジャーナルとの摺動面にオイルを塗り伸ばす。




【カムシャフトをセットする - 3 】 すべてのカムホルダーにオイルを塗り終わったら、ジャーナルとホルダーの位置を合わせながら、カムシャフトを静かにセット。





【カムシャフトをセットする - 4 】 カムシャフトのジャーナル部に潤滑油を塗布し、外したキャップを装着する。




【カムシャフトをセットする - 5 】 カムホルダーのキャップを留めるボルトを、指定のトルクで手作業で締めていく。



【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

OS技研 TC24-B1Z 誕生から完成までを追う 最終回(全4記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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