セダン然としたスタイルの5ドアHB【2】SA22Cから新車で購入して乗り換えたファミリーカー|1993年式 アンフィニ MS-6 2.0 タイプG

MS-6の大きな特徴のひとつが、このボディと一体型のリアスポイラー。太いスポイラーが装着されるが、パッと見はこの隙き間を確認しないとボディと見分けがつかない

【5ドアハッチのセダンが好きだ! 1993年式 アンフィニ MS-6 2.0 タイプG[2]】

【1】から続く

だからこそ、現存するMS-6は非常に少ない。しかも、今回の取材車両はパワーユニットも希少な仕様。それが直列4気筒SOHCのプレッシャーウエーブ・スーパーチャージャー(PWS)・ディーゼルだ。文字で説明するのは難しいが、作動原理は回転するローター内に吸い込まれた吸気に高圧の排ガスがぶつかり、その圧力波(プレッシャーウエーブ)によって瞬間的に過圧され、燃焼室に送り込まれる。さらに排ガスが次々とローター内に流れ込むことで吸入空気を押して過給を継続する。そのため、一般的なターボエンジンにありがちなタイムラグがなく、シームレスな加速を生み出すというシステムだ。これは5代目カペラ時代に量産エンジンで初めて採用され、クロノス、MS-6にも受け継がれた。

 こんなレアな車種&仕様に乗るのは、広島県のオーナー。さすが、マツダのお膝元だ。「独身時代からSA22CサバンナRX-7に乗っていましたが、結婚して子どもが生まれて、4ドア以上が必要になりました。ある日、子どもがSAにサビを見つけて『ボロい!』と言うので、買い替えを決断。それでこのクルマを選んだのです」とオーナー。MS-6を選んだ理由は、「ハッチバック的なクルマが好きで、PWSディーゼルエンジンの過給機構に興味があったため」とコメント。

 新車で購入して以来、間もなく丸26年を迎えるというオーナーと愛車の付き合い。これまでに度重なるトラブルも経験したそうだ。だが、「まだまだ乗りたいんです。でも、乗れば乗るほど調子が悪くなる感じがするし、修理をしたくても部品が製造廃止で、直すこともできない。そろそろ限界かな……と感じているのも事実です」とオーナー。この悲劇的な状況を打開する術はないのか……愛の手を差し伸べてくれる方、いませんか?

>> 【画像19枚】コーナーレンズ部分に取り付けられたコーナーポール。その先端には、アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するザクのマスコットが。その理由は、ザクのコードネームが……。一方インテリアでは、フルオートエアコンは全車標準装備で、タイプGには中央吹き出し口のルーバーが自動で動く電動スイングルーバーも標準で備わる。派手なデザインや装備はないが、快適性を考慮した分かりやすいマジメな作りだ


フルオリジナルで、オーナー自身の加飾・架装もないインパネまわり。80年代のマツダ車では定番だった凝ったレイアウトやギミックはなく、いたってオーソドックスなデザインだ。
>> フルオリジナルで、オーナー自身の加飾・架装もないインパネまわり。80年代のマツダ車では定番だった凝ったレイアウトやギミックはなく、いたってオーソドックスなデザインだ。


 量産エンジン初となるプレッシャーウエーブスーパーチャージャー・ディーゼルのRF型。87年登場の5代目カペラに初搭載され、MS-6にも受け継がれた。タイムラグのないスムーズな加速感と経済性の高さがウリ。「昔は、とくに高速走行が気持ちよかったですね。82psとは思えないほど。PSWの独特な共鳴音も懐かしい。今はエンジンマウントを交換したいけれど部品が製造廃止で困っています」とオーナー。
>> 量産エンジン初となるプレッシャーウエーブスーパーチャージャー・ディーゼルのRF型。87年登場の5代目カペラに初搭載され、MS-6にも受け継がれた。タイムラグのないスムーズな加速感と経済性の高さがウリ。「昔は、とくに高速走行が気持ちよかったですね。82psとは思えないほど。PSWの独特な共鳴音も懐かしい。今はエンジンマウントを交換したいけれど部品が製造廃止で困っています」とオーナー。





新車で購入して以来26年、MS-6とともに過ごしてきたオーナー。広島県出身ということもあり、大のマツダ党。「自分以外のMS-6には国内で数回しか出会ったことがないですね。ディーゼルは1回だけ」と少し寂しそう……。このクルマに乗り続けたい意思はあるが、部品が手に入らず心が折れそうになっている。一方、息子さん(左)もマツダ車乗りで、今ではかなり希少となったFC3SサバンナRX-7の前期を所有。しかもノーマル仕様。こちらもいつか取材したい1台だ。
>> 新車で購入して以来26年、MS-6とともに過ごしてきたオーナー。広島県出身ということもあり、大のマツダ党。「自分以外のMS-6には国内で数回しか出会ったことがないですね。ディーゼルは1回だけ」と少し寂しそう……。このクルマに乗り続けたい意思はあるが、部品が手に入らず心が折れそうになっている。一方、息子さん(左)もマツダ車乗りで、今ではかなり希少となったFC3SサバンナRX-7の前期を所有。しかもノーマル仕様。こちらもいつか取材したい1台だ。


1993年式 アンフィニ MS-6 2.0 タイプG(全2記事)




主要諸元 Specifications
1993年式 アンフィニ MS-6 2.0 タイプG


●アンフィニ MS-6 2.0 タイプG(GEFP)
●全長×全幅×全高(㎜) 4695×1770×1390
●ホイールベース(㎜) 2610
●トレッド(㎜) 1500(前後とも)
●車両重量(㎏) 1330
●エンジン型式 RF型
●エンジン種類 直列4気筒SOHCスーパーチャージャー
●総排気量(cc) 1998
●ボア×ストローク(㎜) 86.0×86.0
●圧縮比 21.1:1
●最高出力(ps/rpm) 82/4000
●最大トルク(㎏-m/rpm) 18.5/2000
●変速比 1速2.800/2速1.540/3速1.000
●4速0.700/後退2.333
●最終減速比 3.700
●ステアリング ラック&ピニオン
●サスペンション ストラット(前後とも)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ 195/65R14(前後とも)
●発売当時価格 218.2万円


初出:ハチマルヒーロー vol.45 2018年 1月号 
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 アンフィニ MS-6 2.0 タイプG(全2記事)

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TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : KAZUHISA MASUDA/益田和久 COOPERRATION : AICHI HEALTHY FOREST PARK/あいち健康の森公園

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