5ドアハッチのセダンが好きだ!【3】デビュー当初は5ドアハッチバックのみだったコロナFF|1984年式 トヨタ コロナFF 5ドア 1800SX(ST150)

オプションで設定されていた純正の13インチアルミホイールを装着。デザインが斬新で、オーナーがこの個体の購入を決めた、ポイントとなる部分のひとつでもある

【5ドアハッチのセダンが好きだ!  1984年式 トヨタ コロナFF 5ドア 1800SX(ST150) vol.3】

半世紀近くにわたり生産され、トヨタの主力車種として長年生産されてきたコロナ。日本を代表するセダンでもあり、同クラスの日産ブルーバードと販売台数を競い合った「BC戦争」は、クルマ好きなら一度は耳にしたことがあるフレーズではないだろうか。

 さてそんなコロナであるが、ひとつのターニングポイントとなったのが8代目だ。前ページで紹介したスプリンター同様、多くのモデルがFFへ転換した時期に登場したこのモデルは、先代と併売されるカタチで1983年1月に発売。そのため「コロナFF」という名が与えられた。しかもデビュー当初は、5ドアハッチバックのみという割り切ったラインナップだったのだ。

 そのエクステリアデザインは、先進性と美しさを持ち合わせたもので、空力性能の良さも追求。ハッチバックの特徴である大きなリアゲートは、高いユーティリティー性を提供してくれる。なお、83年10月にはセダンを追加。それに伴い、7代目セダンは廉価グレードのみとなり、8代目がコロナシリーズの中心になった。

 オーナーは、前ページのスプリンターも所有するオーナー。当初は「買えたらいいな」程度の感覚で探し始めたが、見つかったのがグリーンのボディカラーとレアなグレード、そして純正アルミホイール装備という個体。最終的にその珍しさが決め手となり、購入に踏み切ったと言う。ちなみに入手してから2年半ほどたつが、ボディの部分補修のほか、エアコンコンプレッサーとオルタネーターを交換し、マフラーの補修をした程度。そして、「所有車のなかでは、エアコンがちゃんと効くコロナが一番快適です」と話す。

>> 【画像30枚】エレガントなハッチバックがマルチユースな世界を提案。曲線と直線を組み合わせたサイドビュー。そのスタイリングは、空力性能も優秀。0.35というクラストップレベルのCd値を実現している


同じ5ドアハッチバックといっても、スプリンターとはイメージがまったく異なるコロナFF。当時のカタログでも、スタイリングの美しさを強調する文字が並んでいた。
>> 同じ5ドアハッチバックといっても、スプリンターとはイメージがまったく異なるコロナFF。当時のカタログでも、スタイリングの美しさを強調する文字が並んでいた。


幅広のプロテクションモールがクルマを一周していることも、コロナFFの特徴。取材車両は、サイドのストライプおよびステッカーがキレイに残っていた。
>> 幅広のプロテクションモールがクルマを一周していることも、コロナFFの特徴。取材車両は、サイドのストライプおよびステッカーがキレイに残っていた。



リアシートは左右独立でリクライニングでき、フルフラットにすることも可能だ。
>> リアシートは左右独立でリクライニングでき、フルフラットにすることも可能だ。

5ドアハッチセダンが好きだ!(全3記事)


主要諸元 Specifications
1984年式 トヨタ コロナFF 5ドア 1800SX(ST150)


●全長×全幅×全高(㎜) 4330×1670×1365
●ホイールベース(㎜)  2515
●トレッド前/後(㎜) 1425/1435
●車両重量(㎏)  1020
●エンジン型式  1S-ELU型
●エンジン種類 直列4気筒SOHC
●総排気量(cc) 1832
●ボア×ストローク(㎜) 80.5×90.0
●圧縮比9.0:1
●最高出力(ps/rpm) 115/5400
●最大トルク(㎏-m/rpm) 16.7/400
●変速比 1速3.285/2速2.041/3速1.322/4速0.945/5速0.731/後退3.153
●最終減速比 3.944
●ステアリング ラック&ピニオン
●サスペンション ストラット(前後とも)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク
リーディングトレーリング
●タイヤ 175/70R13(前後とも)
●発売当時価格 132.7万円(1800GX)




併売されていたもう一台のコロナ  本文でも触れたとおり、コロナFFがデビューした83年1月の時点では、まだ先代T140系も販売されていた。そのT140系は82年1月にデビューし、2ドアハードトップと4ドアセダン、バンをラインナップ。スポーツグレードには当初2ℓDOHCの18R-G型が搭載されていたが、82年に国産初のツインカムターボである3T-GT型に変更された。  なお、85年にコロナクーペがデビューしたタイミングで、4ドアセダンのGT系と2ドアハードトップが消滅。そして87年にはすべての車両が生産終了。最後のFRコロナとなった。
併売されていたもう一台のコロナ


本文でも触れたとおり、コロナFFがデビューした83年1月の時点では、まだ先代T140系も販売されていた。そのT140系は82年1月にデビューし、2ドアハードトップと4ドアセダン、バンをラインナップ。スポーツグレードには当初2ℓDOHCの18R-G型が搭載されていたが、82年に国産初のツインカムターボである3T-GT型に変更された。

 なお、85年にコロナクーペがデビューしたタイミングで、4ドアセダンのGT系と2ドアハードトップが消滅。そして87年にはすべての車両が生産終了。最後のFRコロナとなった。



初出:ハチマルヒーロー vol.45 2018年 1月号 
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

5ドアハッチセダンが好きだ!(全3記事)

関連記事:トヨタ
関連記事:スプリンター
関連記事:コロナ

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : KAZUHISA MASUDA/益田和久 COOPERRATION : AICHI HEALTHY FOREST PARK/あいち健康の森公園

RECOMMENDED

RELATED

RANKING