劇中車と同じナンバーの2000GT【後編】今なお多くの人が憧れる国産GTマシン|サーキットの狼世代へ スーパーカーの饗宴|1968年式トヨタ2000GT

リアサイドマーカーが初期型に比べて大型化されている。リアランプ周りのプレートなど、凝ったデザインが採用されている

数多くの海外スーパーカーの活躍した「サーキットの狼」。
その中で、ライバル車として登場した数少ない国産車がトヨタ2000GTだ。

【前編】から続く

【サーキットの狼世代へ スーパーカーの饗宴|1968年式トヨタ 2000GT 後編】

【画像16枚】ヘッドライトはリトラクタブル式を採用。デザインと機能性を両立するために採用された。ヤマハと共同開発されたDOHCエンジン。ベースとなった直列6気筒エンジンにDOHCヘッドを組み込んだ。エンジンルームも美しい


トヨタ2000GTを駆る隼人ピーターソンと風吹が再度対決するのは、沖田も参戦していた公道レースでのこと。
前年チャンピオンに輝いていた隼人ピーターソンは絶対的な自信と闘争心を露わにしていた。
しかし、トヨタ2000GTはコースアウトしてしまい、隼人ピーターソンは大怪我を負ってしまう、という残念な結果に。
ここから風吹への憎悪が始まり、彼は悪役ライバル的なポジションに落ち着いている。

トヨタ2000GTは1967年に市販開始されたクルマだ。
劇中に登場するのは1969年8月にマイナーチェンジが行われて登場した後期モデルとなるが、それでも1970年代に発売された、ロータス・ヨーロッパ、ポルシェ・カレラと比べると、年式がやや古く、少し不利な点がある。
しかし、性能やその「格」において、日本代表としてスーパーカーと対抗できるクルマは、他になかったといえるだろう。

6気筒DOHCエンジンを搭載し、ダブルウイッシュボーン、ラックアンドピニオンステアリング、4輪ディスクブレーキなど、当時の最新技術を惜しみもなく投入したクルマだった。
デザインも秀逸で、エクステリアはロングノーズ、ショートデッキスタイル。インテリアはウッドステアリングを採用し、インパネに美しい木質パネルで高級感があふれていた。
輝かしい功績、美しいスタイリングは、時が過ぎようとも色あせることなく、マニアにとっては今でもあこがれの対象として語り継がれている。


>>サーキットの狼ミュージアムに展示されている他のヨーロッパ車両と比べるとコンパクトではあるが、その小さなボディサイズのわりにダイナミックな印象を与える。



>>フロントに見えるライトは固定式のフォグランプ。作中に登場するクルマ、そしてこの撮影車両はフォグランプが小さくなり、リムが左右まで直線的になった後期モデル。


1968年式トヨタ 2000GT

全長×車幅×全高:4175×1600×1160mm
ホイールベース:2330mm
トレッド 前/後:1300mm/1300mm
車両重量:1120kg
エンジン:直列6気筒 DOHC フロントエンジン
総排気量:1988㏄
最高出力:150PS/6600rpm
最大トルク:18.0kg-m/5000rpm
生産年:1967~1970年
生産台数:337台
生産国:日本
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 12月号 Vol.196
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
サーキットの狼世代へ トヨタ2000GT(全2記事)

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ext:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Ryota Sato/佐藤亮太(サッカス) cooperation:池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

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