旧車と最新技術の融合【3】「真夏でも快適にドライブできる仕様」パワステカーステエアコン付き!? のハコスカGT-R|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

8トラックデッキの奥に組み込まれたエアコンのコントロール部

貴重なハコスカGT-Rだけに、オリジナルにこだわるオーナーも多い。しかし、快適装備はほとんどなく、並々ならぬガマンを強いられるのも事実。最新技術を取り入れることで、ストレスフリーで走れる快適性を手に入れた、71年式ハコスカGT-Rに注目しよう。

【EPOCH TUNE-UP 旧車と最新技術の融合|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R vol.3】

【2】から続く

最新技術を取り入れることで、ストレスフリーで走れる快適性を手に入れた、1971年式ハコスカGT-R。

このハコスカGT-Rではインジェクション化にあたり、制御にはフルコンのLink G4を選択した。

R35GT-R純正コイルや他車種用のデスビ(クランク角センサー)を流用してダイレクトイグニッション化も実施している。
よりよい燃焼や点火を促すことで、パワーやレスポンスアップのみならず、エンジン保護にもつなげているのだ。

また、オーナーからのもう一つのリクエスト。「真夏でも快適にドライブできる仕様」を達成するべく、ビンテージエア製のエアコンキットを追加した。
「コンデンサーは目立たないコアサポート内にマウントし、クーラーホースはフェンダー内を通しています。吹き出し口は純正を使っています。風量などを調整するコントローラーは8トラックデッキの奥に組み込むなど、純正風にまとめました」とダディーモーターワークスの尾頭さん。

さらに電動パワステ化も実施し、フロアには断熱材を張り込むなど、快適にドライブできる仕様に仕上げている。現代の技術を採り入れることで、速さのみならず、使い勝手のよさまで手に入れたオーナーのGT-R。
こうした仕上がりに、あこがれを抱く人も決して少なくはないのではかなろうか。

>> 【画像24枚】純正のように見える内装にも秘密が隠されている。ラジエーターの前にオイルクーラーとコンデンサーを設置。パッと見は分からないようにしているのもこだわりだ。またエアコンの配線や配管もフェンダー内を通して目立たないようにした

フロントはメーカー不明の車高調やピロテンションロッドを装着。フロントブレーキには、AP製の4ポットキャリパーと2ピースのドリルドVディスクでアップデート。
>> フロントはメーカー不明の車高調やピロテンションロッドを装着。フロントブレーキには、AP製の4ポットキャリパーと2ピースのドリルドVディスクでアップデート。

リアはKYBダンパーやワークスタイプのリアスタビライザーをセット。ブレーキは純正のアルフィンドラムだ。購入当初はベタベタだったというが、今はほどよいローダウンにとどめる。
>> リアはKYBダンパーやワークスタイプのリアスタビライザーをセット。ブレーキは純正のアルフィンドラムだ。購入当初はベタベタだったというが、今はほどよいローダウンにとどめる。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 スカイラインHT 2000 GT-R(KPGC10)
■エンジン:S20型改2.2ℓ仕様、ハイカム、フルカウンタークランクシャフト
■点火系:R35純正ダイレクトイグニッション流用
■制御系:Link G4+Xtremeフルコン
■吸排気系:ジェンビー製φ45㎜6連スロットル、ボッシュ製350㏄インジェクター、プロテック製タコ足、ジーズプロジェクト製マフラー
■冷却系:アルミ2層ラジエーター、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:ニスモ製コレクタータンク/燃料ポンプ
■駆動系:純正OPアルフィンデフカバー
■サスペンション:(F)車高調 (R)KYBダンパー、SPテック製ピロアッパー、テンションロッド、リアアーム偏心ブッシュ、ワークスタイプリアスタビライザー
■ブレーキ:(F)AP製4ポットキャリパー、ドリルドローター (R)アルフィンドラム
■タイヤ:アドバン ネオバ (F)195/60R14 (R)225/50R15
■ホイール:RSワタナベ8スポーク (F)14×6.5J (R)15×9.5J
■インテリア:ヴィンテージエア製エアコン、レトロサウンド製カーステレオ、電動パワステ、集中ドアロック、ワークスタイプ3点ロールバー、ナルディ製ステアリング、メーターLED化、PLX製A/F計

【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックスピード 2020年 2月号 vol.23
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

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TEXT : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 PHOTO : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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