旧車と最新技術の融合【1】乗る機会が減っていたオーナーが踏み切ったストレスフリーで走れるハコスカGT-R化|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

ノーマルに準じたルックスながら低められた車高など手の入った雰囲気を感じさせるハコスカGT-R

       
貴重なハコスカのなかでもさらに希少なGT-R。それゆえオリジナルにこだわるオーナーも多い。しかし、快適装備はほとんど付いていない旧車ゆえに、その走りを堪能するには並々ならぬガマンを強いられるのも事実だ。結果としてガレージでホコリを被っているケースも……。そこで今回は、最新技術を取り入れることで、ストレスフリーで走れる快適性を手に入れた、71年式ハコスカGT-Rに注目しよう。

【EPOCH TUNE-UP 旧車と最新技術の融合|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R vol.1】

旧車に興味はあっても、始動時にプラグがカブったり、出先でエンジンが吹けなくなるなどの不安から、購入をためらう人は意外に多い。それも旧車ならではの味わいともいえばそれまでだが、いつでも調子は変わらずに、ストレスなく乗れるにこしたことはない。

そこで注目を集めているのがスポーツインジェクションだ。現代のクルマと同じように燃料噴射の制御をコンピュータが担うため、気温や湿度が変わっても調子は安定していて、どんなシチュエーションでもエンジンがぐずつく心配がない。もちろん、一発始動できるのも大きなメリットといえる。

若い頃からあこがれていたハコスカGT-Rを手に入れたものの、ここ数年はめっきり乗る機会が減っていたというオーナーも、そうしたメリットに引かれてスポーツインジェクション化に踏み切った。

「夏場は暑くてとても乗れないし、冬場の始動性にも難があり、次第に遠ざかっていましたね。こうした問題を解消して、ずっと大切に乗り続けていきたいと思い、ダディーモーターワークスにお願いしました」と振り返る。

>> 【画像24枚】インジェクション化をして快適になったハコスカはこうやって作られた。長さがピッタリだったというR35純正のダイレクトイグニッションを加工流用してセット。ワンオフのステーで絶妙なレイアウトを実現している。純正デスビの位置に他車種用のクランク角センサーを装着。「ちょうどいいサイズのものを探すのが大変だった」とダディーモーターワークス尾頭さん

スポーツインジェクション化を手がけたのは、スワップチューンでも有名なダディーモーターワークスの尾頭代表。豊富なノウハウを注ぎ込み、唯一無二のハコスカGT-Rに仕上げた。
>> スポーツインジェクション化を手がけたのは、スワップチューンでも有名なダディーモーターワークスの尾頭代表。豊富なノウハウを注ぎ込み、唯一無二のハコスカGT-Rに仕上げた。

主要諸元 SPECIFICATIONS
1971年式 スカイラインHT 2000 GT-R(KPGC10)

■エンジン:S20型改2.2ℓ仕様、ハイカム、フルカウンタークランクシャフト
■点火系:R35純正ダイレクトイグニッション流用
■制御系:Link G4+Xtremeフルコン
■吸排気系:ジェンビー製φ45㎜6連スロットル、ボッシュ製350㏄インジェクター、プロテック製タコ足、ジーズプロジェクト製マフラー
■冷却系:アルミ2層ラジエーター、セトラブ製オイルクーラー
■燃料系:ニスモ製コレクタータンク/燃料ポンプ
■駆動系:純正OPアルフィンデフカバー
■サスペンション:(F)車高調 (R)KYBダンパー、SPテック製ピロアッパー、テンションロッド、リアアーム偏心ブッシュ、ワークスタイプリアスタビライザー
■ブレーキ:(F)AP製4ポットキャリパー、ドリルドローター (R)アルフィンドラム
■タイヤ:アドバン ネオバ (F)195/60R14 (R)225/50R15
■ホイール:RSワタナベ8スポーク (F)14×6.5J (R)15×9.5J
■インテリア:ヴィンテージエア製エアコン、レトロサウンド製カーステレオ、電動パワステ、集中ドアロック、ワークスタイプ3点ロールバー、ナルディ製ステアリング、メーターLED化、PLX製A/F計

【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2020年 2月号 vol.23
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

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TEXT : DAISUKE ISHIKAWA/石川大輔 PHOTO : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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