MATビハイクル【1】「帰ってきたウルトラマン」に登場する未来的マシンを再現|1969年式 マツダ コスモスポーツ vol.1

MATビハイクルのデザインを再現した後期型コスモスポーツ

       
【1969年式 マツダ コスモスポーツ MATビハイクル仕様 vol.1】

1966年放送の「ウルトラQ」および「ウルトラマン」から始まった、円谷プロダクション制作のウルトラシリーズは、子供向けの特撮番組ながら、娯楽性とメッセージ性を両立したストーリーやSF設定で人気を獲得。現在まで続くシリーズとなった。登場するメカニック類も、未来や科学を感じさせるギミックとして大きい役割をはたした。

【画像17枚】「UFOのよう」と評されることもある独特のスタイルのコスモスポーツ。「あらゆるクルマの中で一番カッコいい」とオーナーのいう車両のディテールなど

1971年放送の「帰ってきたウルトラマン」に登場するマットビハイクルもそんなメカの1台だ。国際連合所属の地球防衛組織の一部門である怪獣攻撃隊の特別チームMAT(MONSTER ATTACK TEAM)が使用する専用車両で、主人公である郷秀樹=ウルトラマンジャックたちMAT隊員がパトロールや攻撃に使用する。

VEHICLEは本来ならビークルとなるところだが、読み間違いでこの名前になったという。ウルトラシリーズのような特撮作品に搭乗するマシンは、ベース車両を大きく改造して世界観に合わせていることが多いが、マットビハイクルの場合は、大きなロッドアンテナと、ボディに赤いラインとMATの文字やマークが描かれているぐらいだ。

ストーリー途中には、リアスポイラーが追加されたり、赤色回転灯やミサイルランチャーがルーフに設置されたりしたほか、1エピソードだけ迷彩塗装になって登場したこともあるが、基本的には、ほぼそのままコスモスポーツの外観である。

【2】に続く


>>トランクリッドには「MAT」の文字。ストーリーの途中、高速安定性を高めるために、坂田自動車工場の坂田健によって「スタビライザー」と呼ばれるリアスポイラーが追加される。


>>磨き上げた純正ホイールとホイールキャップを装着。

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【2】に続く

主要諸元 SPECIFICATIONS
1969年式 マツダ コスモスポーツ(L10B)

●全長4130mm
●全幅1590mm
●全高1165mm
●ホイールベース2350mm
●トレッド前/後1260/1250mm
●最低地上高125mm
●車両重量960kg
●乗車定員2名
●最高速度200km/h
●登坂能力tanθ0.553
●最小回転半径5.2m
●エンジン型式10A型
●エンジン種類水冷2ローター・ロータリー
●総排気量491cc×2
●圧縮比9.4:1
●最高出力128ps/7000rpm
●最大トルク14.2kg-m/5000rpm
●変速機前進5段・後退1段 前進フルシンクロメッシュ
●変速比1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/5速0.841/後退3.389
●最終減速比4.111
●燃料タンク容量57リットル
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前/後独立懸架筒型複動オイルダンパー・コイルバネ/筒型複動オイルダンパー半楕円形板バネ
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも155HR15ラジアル
●発売当時価格158万円

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初出:ノスタルジックヒーロー vol.196 2019年12月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

コスモスポーツMATビハイクル仕様(全3記事)
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TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : MAKOTO INOUE/井上 誠

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