MATビハイクル【3】これまで7台を所有! 状態の良いパーツを集めて仕上げた屈指の仕上がりの1台|1969年式 マツダ コスモスポーツ vol.3

コスモスポーツにとどまらず、RE好き、マツダ好きであるオーナー。購入第1号だというRX-8やルーチェ、20B型エンジン搭載のユーノスコスモなども所有する

【1969年式 マツダ コスモスポーツ MATビハイクル仕様 vol.3】
【2】から続く

自らのコスモスポーツに焼き付け塗装を施し、MATビハイクルを再現したオーナー。

ウルトラシリーズのファンであると同時に、熱烈なコスモスポーツファンであるオーナーは「5歳の頃に高松市の商店街を走るコスモスポーツを見た瞬間、大人になったら必ずこれに乗るんだと決心したんです」。そして大人になり、夢を叶える。
初めて買ったコスモスポーツは、床に穴が開き、雑草が顔をのぞかせているような状態だったが、生命保険を解約して購入。6年がかりでレストアしたという。

【画像17枚】ステアリングは当時の純正オプションであったナルディ製のウッドステアリング。300本のみの限定生産だった。純正オプションのクーラーは当時60万円もしたため装着した車両がほとんど存在しないレア装備。装着車を探し出して付け替えたという。エンジンルームもほぼオリジナルの状態を維持。数少ない変更点であるローター型のオイルフィラーキャップには、「ロータリーの語り部」こと松浦國夫さんのサインが入っている

その後もコスモスポーツ熱は冷めず、これまで7台のコスモスポーツを所有してきたオーナー。このマットビハイクルのベースとなった個体は、小豆島への赴任時に前オーナーと知り合い、頼み込んで譲ってもらったという。それほど素晴らしい状態だったのだ。
 
「最終的にこのマットビハイクルは、5台分の後期型コスモスポーツの良い部分を集めて完成しました。日本最高のコスモスポーツだと自負しています」と語るように、見た目の派手さに目が行きがちだが、旧車としても極上。
実際に間近で見ると、その自信にも納得できる抜群のコンディションだった。


>>後期型だけでなく、前期型も所有しているオーナー。最終的にこの2台に絞り込んだというだけあって、こちらのコンディションもかなりのものだ。グリル形状が後期型だが、オーバーヒートを避けるために交換されている個体がほとんどだという。


>>ロータリーエンジンの開発部長であり、コスモスポーツの開発も統括した山本健一さんの言葉である「飽くなき挑戦」の直筆サイン。


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主要諸元 SPECIFICATIONS
1969年式 マツダ コスモスポーツ(L10B)

●全長4130mm
●全幅1590mm
●全高1165mm
●ホイールベース2350mm
●トレッド前/後1260/1250mm
●最低地上高125mm
●車両重量960kg
●乗車定員2名
●最高速度200km/h
●登坂能力tanθ0.553
●最小回転半径5.2m
●エンジン型式10A型
●エンジン種類水冷2ローター・ロータリー
●総排気量491cc×2
●圧縮比9.4:1
●最高出力128ps/7000rpm
●最大トルク14.2kg-m/5000rpm
●変速機前進5段・後退1段 前進フルシンクロメッシュ
●変速比1速3.379/2速2.077/3速1.390/4速1.000/5速0.841/後退3.389
●最終減速比4.111
●燃料タンク容量57リットル
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前/後独立懸架筒型複動オイルダンパー・コイルバネ/筒型複動オイルダンパー半楕円形板バネ
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも155HR15ラジアル
●発売当時価格158万円
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初出:ノスタルジックヒーロー vol.196 2019年12月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

コスモスポーツMATビハイクル仕様(全3記事)
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TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : MAKOTO INOUE/井上 誠

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