マツダ コスモスポーツ変化の変遷【外観 全景比較】フェンダースリット前のサイドマーカーが存在しないプロトタイプ|最終プロトタイプ・前期・後期でどこが違うのか|プロトタイプ主要諸元付き

前期後期に加え、今回は最終型プロトタイプを比較(プロトタイプも種類がある)

       

最終プロトタイプ・前期・後期でどこが違うのか

1960年代、これほどまでにユーザーを期待させたモデルがあったであろうか。早い段階からエンジン開発がスタートし、モーターショーではプロトタイプの姿を数回にわたり披露してきた「コスモ スポーツ」。1967年から1972年まで販売された、人々の記憶に残るスタイリングだった。今回は最終プロトタイプから前期、後期をへて進化したその姿を振り返ってみた。

【 コスモ スポーツの進化 Vol.1 外観 全景比較】



フェンダーのスリット前にあるサイドマーカーがプロトタイプには存在しない。また、初期型の丸型から後期型の角形へと変更されているのが分かる。サイドのプレスラインはプロトタイプから大きな変更はなかった、ただ、スリットの形状はプロトタイプのなかでも数種あったという。


リアから眺めたシルエットに大きな違いはない。ただ、後期型のみホイールベースを伸ばしたので、後期型のリアタイヤの位置が他の2モデルと違うのが分かる。また、プロトタイプのバンパーが少し尖っているのが分かる。よりシャープな印象を受けるデザインだった。


バンパー下のアンダーパネルが後期型のみ大きく開いたタイプへと変更された。冷却効果を高めるために間口を広くしている。初期型であっても、後期型パネルを取り付け、オーバーヒート対策をするユーザーがいるほど。プロトタイプだけバンパーラバーが装着されていない。


テールランプ、2本だしマフラーはすべて同じデザインを採用している。市販車では左右対称に装着されているバックランプだが、プロトタイプは右側に1つだけ付いている。リアのバンパー両サイドに装着されたバンパーラバーは後期型のみに装着されている。


フロントボンネット前方のセンターに装着されているのが、ロータリーエンジンを形どったおむすび型のマツダエンブレム。プロトタイプのみ凹凸を残した立体的な形で、カラーは赤を基調にしている。また、エンブレムの実サイズが市販車のものと比べると大きいのが特徴。


フロントノーズの左ヘッドライト横に装着された「Cosmo」のエンブレム。プロトタイプにも同じロゴタイプのエンブレムが装着されている。この筆記体の書体はシリーズを通して共通。立体的なので角度によって見え方が変化する。



>> 【画像22枚】内装では量産車は右がタコメーター左がスピードメーターだが、プロトタイプでは逆だったというような変更点がある

マツダ コスモ スポーツ プロトタイプ


SPECIFICATION 諸元
全長 4155mm
全幅 1595mm
全高 1180mm
ホイールベース 2200mm
トレッド前/後 1250mm / 1240mm
車両重量 915kg
乗車定員 2名
最高速度 170km / h以上
最小回転半径 4.9m
エンジン型式 10A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 491cc×2
変速比 1速 3.379 / 2速 2.077 / 3速 1.390 / 4速 1.000
最終減速比 4.111
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン・コイル / リーフ
ブレーキ前/後 ディスク / ドラム
タイヤ前後とも 6.45-15




【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年8月号 Vol.182
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

コスモ スポーツの進化(全3記事)

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text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太, ISAO YATSUI/谷井 功

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