公称550ps以上!! 「日本一速い男」星野一義が駆るカルソニックカラーのスカイライン|カルソニック スカイライン【2】

多くのファンをとりこにした鮮やかなカルソニックブルーのボディ。フロア下には、ブレーキ冷却用のダクトも確認できる。

【カルソニック スカイライン vol.2】

鮮やかなブルーが印象的なカルソニックカラーは、R31がグループAに参戦していた時代から使われていたもの。デビュー年となった90年は、星野一義/鈴木利男というコンビで6戦中5勝という圧倒的な速さを見せ、シリーズチャンピオンを獲得。

星野は「日本一速い男」の名をまざまざと見せつけたのだ。翌年91年も星野と組んだのは鈴木利男だった。初戦こそ優勝を手にするも、最終的には3勝止まりで、長谷見昌弘/アンデルス・オロフソン組のリーボック・スカイラインにチャンピオンの座を明け渡したのである。

続く92年は、さらに多くのプライベーターがエントリー。フル参戦するGT-Rは7台まで増え、GT-R同士の戦いが激化した。そんななかカルソニック・スカイラインは、星野のパートナーが影山正彦にチェンジ。8戦中3勝、3位1回、6位1回と着実にポイントを稼ぐものの、3回のリタイヤが響き、ランキング2位でシーズンを終えたのだった。

そして全日本ツーリングカー選手権最後の年となる93年は、星野/影山組のカルソニック・スカイラインが開幕戦で優勝。全9戦中4勝を挙げるとともに、最終戦のリタイヤ以外はすべて表彰台に登る安定した走りを見せ、最終的に影山がドライバーズチャンピオン、ホシノレーシングがチーム部門を制したのである。

【画像20枚】 ステアリングは、MOMO製をベースにしたインパル913スペシャル。助手席側ダッシュボードを見ると、軽量化のため内部に無数の穴が開けられていることが分かる。市販車でオーディオ用だったメーターナセルにあるスイッチは、ドリンク用に変更


>>公称550ps以上だが、ブースト圧1.3kg/cm2で約570ps、1.6㎏/cm2まで上げると600psオーバーと言われたRB26DETT型。そのパワーは他を寄せ付けなかった。


>>タービンはGT-Rニスモに搭載されたギャレット製のメタルタービン。基準車のセラミックタービンよりもコンプレッサーが大きく、ハイパワーが望める。エキマニはSUS製。


>>左2本出しのサイドマフラーは、助手席側ドアの下にレイアウト。ここから放たれるアフターファイアーは、多くのファンを魅了した。



カルソニック スカイライン

全長×全幅×全高(mm) 4545×1755×1340
ホイールベース(mm)  2615
トレッド前/後(mm) 1610/1530
車両重量(kg)  1250
エンジン型式  RB26DETT型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 2568
最高出力(ps/rpm) 550以上/7600
最大トルク(kg-m/rpm) 50.0以上/6000
タイヤ 265/700R18(前後とも)


【3】へ続く


初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

カルソニック スカイライン(全3記事)

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