社会人20年目のご褒美を……「ノーマルを基準にしておけば、修理をしても直ったか判断しやすい」オーナーに愛されるGT-R|1990年式 日産 スカイライン GT-R【3】

アルミボンネットと横桟グリル、専用バンパーによって、GTS系よりも迫力あるマスクに。コーナーレンズは、前後期ともにオレンジとなる

【2】から続く

【1990年式 日産 スカイライン GT-R vol.3】

もちろん、見どころはこれらだけにとどまらず、対向ピストンのアルミブレーキキャリパーや4輪マルチリンクサス、225サイズのタイヤなど、高性能を生かすための装備を多数採用。マッチョな前後フェンダーや大型のリアスポイラーも、規格外の迫力だった。そして、モータースポーツシーンではその高いパフォーマンスを遺憾なく発揮し、圧倒的な強さを誇ったのである。

 ここで紹介するGT-Rのオーナーは、デビューした時から最新のメカニズムと「16年ぶりに復活」というキーワードに心を奪われ、いつかは手に入れたいと考えていた。そして2001年、社会人20周年を迎えた自分へのご褒美……という名目で購入。ノーマル車にこだわって探していたが、運良く地元の中古車販売店で見つけることができた。

 購入後は大きなトラブルこそなかったものの、当初から不安定だったアイドリングがいつになっても治らない。結局完治するまでに、約12年も費やした。また、今では改造されている確率がかなり高いGT-Rだが、オーナーの愛車はほぼノーマル。これには「コンディションを維持するにはノーマルが基本です。ノーマルを基準にしておけば、修理しても直ったか判断しやすいですから」と話す。そんなオーナーは、現状を維持するためにパーツを収集し、延命のために日々愛情を注いでいる。

【画像15枚】グループAレースを見据え、強大なダウンフォースが得られる大型リアスポイラーをセット。フロア下に見える燃料タンクも大型で、GTS系は60LだがGT-Rは72Lとなる


鍛造ホイールは8J幅の専用品。ブレーキキャリパーは前4ポット後2ポットで、ローターはピンホールタイプ。
>>アルミボンネットと横桟グリル、専用バンパーによって、GTS系よりも迫力あるマスクに。コーナーレンズは、前後期ともにオレンジとなる。

アルミボンネットと横桟グリル、専用バンパーによって、GTS系よりも迫力あるマスクに。コーナーレンズは、前後期ともにオレンジとなる。
>>鍛造ホイールは8J幅の専用品。ブレーキキャリパーは前4ポット後2ポットで、ローターはピンホールタイプ。



スカイライン GT-R(BNR32)
全長×全幅×全高(㎜) 4545×1755×1340
ホイールベース(㎜)  2615
トレッド(㎜) 1480(前後とも)
車両重量(㎏)  1430
エンジン型式  RB26DETT型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(㏄) 2568
ボア×ストローク(㎜) 86.0×73.7
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 280/6800
最大トルク(㎏-m/rpm) 36.0/4400
変速比 1速3.214/2速1.925/3速1.302/
4速1.000/5速0.752/後退3.369
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション マルチリンク(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R16(前後とも)
発売当時価格 445.0万円


【2】から続く


初出:ハチマルヒーロー2017年1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 日産 スカイライン GT-R(全3記事)

関連記事:R32という存在
関連記事:日産

TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:ISAO YATSUI/谷井 功 COOPERATION:OKAYA CITY TORIIDAIRA YAMABIKO PARK /長野県岡谷市 鳥居平やまびこ公園

RECOMMENDED

RELATED

RANKING