レースで勝つため! RB26DETT型+アテーサE-TSで圧倒的な強さを手に入れた|1990年式 日産 スカイライン GT-R【2】

左から電圧、油温、ブーストというレイアウトで、センタークラスター最上部には3連メーターが装備される

【1990年式 日産 スカイラインGT-R vol.2】

【1】から続く

2.6リットルという排気量は、当時のグループAレースでのレギュレーションを考慮したもので、ターボ係数の1.7を掛けて4500㏄以下になるよう設計されたのだ。こうしたことから、RB26DETT型がレースを主体に設計されたエンジンだということがわかるはず。

 そして、強力なパワーを有効に路面に伝えるために選ばれたのが、トルクスプリット型4WDのアテーサE-TS。これは、FRの旋回性能と4WDの安定性・加速性能を同時に発揮させるべく開発されたシステムで、0対100(FR状態)から50対50の範囲で最適にトルク配分を制御。あらゆる天候や路面状況において、性能をフルに発揮できるようにしている。

 もちろん、見どころはこれらだけにとどまらず、対向ピストンのアルミブレーキキャリパーや4輪マルチリンクサス、225サイズのタイヤなど、高性能を生かすための装備を多数採用。マッチョな前後フェンダーや大型のリアスポイラーも、規格外の迫力だった。そして、モータースポーツシーンではその高いパフォーマンスを遺憾なく発揮し、圧倒的な強さを誇ったのである。

【画像15枚】当時のグループAレースでのレギュレーションを考慮し設計されたRB26DETT。2.6Lという排気量ながら、レブリミット8000rpmを実現。まさにレーシングエンジンと言えるスペックだ




>>室内の意匠はGTS系と同じ。ただし、ステアリングのホーンボタンはGT-Rのロゴが入る。



>>グループAマシンのシートをモチーフに開発されたというモノフォルムバケットシート。エクセーヌ/起毛ジャージの専用表皮が採用されている。




スカイライン GT-R(BNR32)
全長×全幅×全高(㎜) 4545×1755×1340
ホイールベース(㎜)  2615
トレッド(㎜) 1480(前後とも)
車両重量(㎏)  1430
エンジン型式  RB26DETT型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(㏄) 2568
ボア×ストローク(㎜) 86.0×73.7
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 280/6800
最大トルク(㎏-m/rpm) 36.0/4400
変速比 1速3.214/2速1.925/3速1.302/
4速1.000/5速0.752/後退3.369
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション マルチリンク(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R16(前後とも)
発売当時価格 445.0万円


【2】へ続く


初出:ハチマルヒーロー2017年1月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 日産 スカイラインGT-R(全3記事)

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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:ISAO YATSUI/谷井 功 COOPERATION:OKAYA CITY TORIIDAIRA YAMABIKO PARK /長野県岡谷市 鳥居平やまびこ公園

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