超軽量でレスポンスアップも確実なL型用フライホイール【1】OS技研L型エンジン用オフセットウエイトフライホイール

OS技研L型エンジン用オフセットウエイトフライホイール

       
L型チューンのエキスパートなら、すでに実践している人も多いであろう、クランクの「ケツ切り加工」。OS技研のオフセットウエイトフライホイールは、高度なこのメニューの効果を一気に身近にする。
「クラッチシステムを交換する」ことで、ケツ切りと同じ効果が得られる!?

【OS技研L型エンジン向けオフセットウエイトフライホイール Vol.1】

 ハイレベルなL型チューンを行うことで、当然ながらリスクも大きくなっていく。中でも、高回転時に起きるクランクシャフトの振動によって、ジャーナルやコンロッドウエイト部分が折れるという致命的なトラブルがある。その対策として行われている加工が、いわゆる「ケツ切り」というもの。

 これは、クランクシャフトのケツ=フライホイール取り付け部分をカットする加工のことだ。L型用のクランクのケツは、29mmも肉厚がある。回転部分はエンジンに近いほうが高回転時の振動には有利なため、このケツを短くして、フライホイールやクラッチをエンジンに寄せようという作戦だ。

 このケツ切りと同じ方向の考え方で製作されたのが、今回リリースとなるOS技研のオフセットウエイトフライホイールだ。まず、従来品に比べ取り付けフランジが薄く、さらに可能な限りエンジン側に寄せるように設計されている。これまでケツ切りで得ていた重量物のオフセット効果を、フライホイールの設計そのものを見直すことで得ることができるわけだ。ちなみにL型用の場合、このフライホールがエンジン側に寄る寸法はジャスト7mm。クランクの後端を短縮加工する場合の寸法の限界値が7〜8mmなので、オフセット効果に変わりはない。しかも、10000rpmという超高回転域でも、まったく振動が出ないらしい。

 また、約3kgという超軽量仕様のため、レスポンスは抜群。タコメーターの針が追いつかないほどの超ハイレスポンスを得ることも可能となる。

 オフセットウエイトフライホールは、リングギアの位置を純正の位置になるように設計。そのため、セルモーターの位置変更が不要なのもポイントだ。


>> 【画像20枚】フライホイールの取り付け位置を可能な限りエンジン側に寄せることで、クランク後端短縮加工同等のウエイトオフセット効果が得られる。一般的なフライホイールに比べて薄く、重量も大幅に削減されている




>> ウエイトを削りに削ったオフセットウエイトフライホイールの重量は、L型用でわずか3kgほどだ。左が一般的な軽量フライホイールで4.5kg。見ての通り、ディッシュとスポークホイール並みの重量差がある。ちなみに純正は7〜8kgある。なお、このアイテムの重量は特注もOKとのこと。





>> フライホイールは3.06kg!





>> クラッチASSYでは8.49kg!


【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

OS技研L型エンジン向け新パーツ(全3記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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