KYOJO CUP 2024 第4戦|台風接近からスタートした女子レーサーたちの熱気あふれる戦い|2024年8月18日(日)リポート

今回は多少引き離してチェッカーを受ける斎藤

       

予選でも異次元の速さを見せる斎藤愛未
それを追う翁長実希と下野璃央

 8月18日(日)の第4戦。基本的にKYOJO CUPの予選は同日に行われる。朝8時の予選スタート時、各自のピットから争うように飛び出していく各マシン。

 KYOJO CUPは他のレース以上に予選順位が大切だ。その理由は3つある。1つは参加台数の数。これだけの台数のマシンが、広く長いFSWの長い直線から一気に狭いTGRコーナーに雪崩れ込むのだから、できるだけ前にいて集団に埋もれないようにしなければならない。そのためにも予選上位は必須となる。2つ目にVitaのスリップストリームの効果。Vitaはそのボディ構造からスリップストリームの効果が高く、それによって非力なエンジンパワーを補っている。もちろん全車同型車であるため、レース中のスリップをいかに効果的に使うかで勝敗が決まってくる。

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 そのためKYOJO CUPでは1週目から全車が目の前の車両のスリップに入るため、1本の糸のように連なって隊列を組み、まるでセーフティーカーが入っているかのような状態になる。これは先頭を走るポイントランキングトップの斎藤愛未の圧倒的なストレートの速さに付いて行ってやろうとする翁長実希と下野璃央が後続に付き、追い抜けるポイントでもあえて抜かずに、後半勝負をかける戦略によって補完され、他のドライバーも同じように隊列を組むことから数週に渡って行われる。

 ひどい時にはメインスタンド前の直線に入るまでこの隊列が崩されないため、KYOJO関係者の間では「斎藤愛未ドライビングスクール」と呼ばれている。2024年第2戦から参加の池島実紅は、5年ぶりの参加であったためこの奇妙な隊列に驚き、しばらくの間、この隊列を崩し、追い抜いていいのかダメなのか迷ったという。

ドライビングスクール
>>斎藤愛未ドライビングスクール状態の隊列。

予選順位を1つでも上げようという各選手に対し、翁長と下野の2人は最初からターゲットを斎藤に絞り、予選の段階からストレートで圧倒的な速さをみせる彼女についていこうとする。
斎藤のストレートの速さについてはマシンが違う、付けているパーツが違うなど数多くの意見やくだらないSNSのコメントなどがあるが、彼女自体KYOJOに参戦した2020年の時点ですでにストレートの速さには定評があり、圧倒的にコーナーが早い翁長実希に対してストレートの伸びの良さで引き離すという構図は、今に始まったことではない。

TEXT:Nostalgic Hero編集部 PHOTO:Jyunichi Okumura/奥村純一 KYOJO CUP事務局

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