映画「断絶」の世界観【5】「どうしてもこれが欲しかったんです」世界に618台しかいないと言われている希少なボディカラー|ポンティアック GTO ジャッジ

愛車GTOのほうが年上となるオーナー

【ポンティアック GTO ジャッジ Vol.5】

このほか、強化したサスペンションやハイグリップワイドバイアスタイヤなどを専用に装備。このハイパフォーマンスカーに当時のアメリカは夢中になった。

撮影車両のオーナーもGTOにほれたひとりで、この個体は劇中車と同じ70年式GTOジャッジ。「丸目4灯や排ガス規制前のフルパワー、エンデューラバンパーなど、すべてを叶えてくれるのはGTOしかありません」と語る。「オービット・オレンジ(カラーコード06)のGTOは618台しかないと言われています。

この個体はそのうちの1台。どうしてもこれが欲しかったんです」と付け加えた。そして最後に、「GTOはクルマの域を超えた一生の相棒です」と生涯をともに過ごすことを誓った。

【画像18枚】トランスミッションはトレメック製TKO600というオーバードライブ付き5速に換装。シフトノブはハースト製


>>70年モデルの搭載エンジンはV型8気筒の400cu.inラムエアⅢ。ラムエアとはボンネット上のインテークダクトから直接フレッシュエアを導入する吸気システムのこと。最高出力366psというハイパフォーマンスを誇った。ちなみに、この年にマスキー法が成立したため、71年モデル以降はラムエアエンジンは廃止された。


>> 右が「断絶」のDVD。71年公開なので、本誌読者にはなじみがないかもしれない。けれど、古いアメ車好き、古き時代のアメリカに興味があるなら見る価値のある作品。左はジャッジのスケールカー。どちらもオーナーの所有品。

OWNER
 オーナーはまだ30代半ばの若さ。愛車GTOのほうがずいぶん年上だ。この個体は「程度極上!」というわけではなかったが、希少な純正オレンジが決め手のひとつ。購入後はクラッチのロッドが折れたり、マフラーが落ちたりしたが「大したことではありません」と平然。クルマを仕上げることについても「楽しいことばかりで苦労なんてないです」と言い、GTOのためにガレージハウスを買ってしまうほどの溺愛ぶり。現在はオリジナルブロックでエンジンを製作中。


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【4】から続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ポンティアック GTO ジャッジ(全5記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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