映画「断絶」の世界観【2】登場人物の名前すら分からないエンターテインメント性は皆無。だが当時のリアルなアメリカンカルチャーは満載なのだ|ポンティアック GTO ジャッジ【2】

ドライバー側のボンネット上に設置されたボンネットマウントタコメーター。当時のアメリカではステータスシンボルだったそうだ

【ポンティアック GTO ジャッジ Vol.2】

あるガソリンスタンドでポンティアックに乗る男(ウォーレン・オーツ)と巡り会い、お互いのクルマを賭けてワシントンD.C.までの長距離レースに挑む。

多くの人はアメリカンムービーらしいハイスピードバトルを期待するだろう。だがそんなエンターテインメント性は皆無。何も説明しない、登場人物の名前すら分からない。

だが、当時のアメリカのカルチャーやカーガイのリアルを伝えるロードムービーとして高い評価を得ている。とくに往年のアメ車ファンは必見。「シェビー・ブロックか?」や「454だ」といった何気ない会話から当時の空気を感じられるとともに、アメ車好きにはグッとくるポイントだ。

【画像18枚】70年モデルの搭載エンジンはV型8気筒の400cu.inラムエアⅢ。ラムエアとはボンネット上のインテークダクトから直接フレッシュエアを導入する吸気システムのこと。最高出力366psというハイパフォーマンスを誇った。ちなみに、この年にマスキー法が成立したため、71年モデル以降はラムエアエンジンは廃止された


>>ナンバーは610。これは「断絶」の劇中車と同じ数字で、オーナーのこだわり。ちなみに劇中のナンバープレートは「610 APO」。ナンバープレートの裏側に給油口がある。


>>ホイールはアメリカンレーシング製の15インチ。タイヤサイズは前245/60、後ろ275/60。ボディサイドのストライプ(通称ジャッジストライプ)と「THE JUDGE」ロゴのデカールはジャッジ専用。

すべての画像を見る

【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ポンティアック GTO ジャッジ(全5記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

RECOMMENDED

RELATED

RANKING