映画「断絶」の世界観【4】年式によって大きく仕様が異なる当時のアメ車。「ジャッジ」はGTOのハイパフォーマンス仕様だった|ポンティアック GTO ジャッジ

小振りなリアスポイラーは純正オリジナル。リアスポイラーは69年式のジャッジでGTO史上初めて標準装着され、70年式でも引き続き導入された

【ポンティアック GTO ジャッジ Vol.4】

劇中車のGTOは68年に登場した2代目。正確には70年式の「GTO The JUDGE(ジャッジ)」だ。この頃のアメ車は年式で大きく異なり、フルモデルチェンジ並みに違うこともしばしば。GTOも例に漏れず複雑なので、ここでは70年式に絞って紹介する。

70年式のGTOは、従来の格納式ヘッドライトから固定式4灯ヘッドライトに変更。搭載するエンジンはV型8気筒350psの400キューブ・インチ(cu.in)。cu.inとは立方インチのことで、換算すると6554cc。これが基本だが、70年式には歴代最大となる360psの455cu.in(7.5L)ハイアウトプットエンジンも用意されていた。

そして「ジャッジ」はGTOのハイパフォーマンス仕様。エンジンは366psの400ラムエアⅢで、レーシングスペックの400ラムエアⅣエンジンの選択も可能。ラムエアは直接エアを導入する吸気システムで、当時の高性能車では必須のメカだった。

>> 余計なモノはなくシンプルなインパネだが、メーターまわりやセンタークラスターにウッド調/メタル調パネルで加飾。豪華さと上級感を演出する。全体的にオリジナルに近く、とても45年以上経っている個体だとは思えない状態をキープしている。

【画像18枚】購入時は価値のあるセンタークラスターがカットされ1DINオーディオが装着されていた。そのため、クラスターを元に戻すとともにレトロサウンドステレオを装着。これは車種別に販売されているもので、さすがアメリカ


>>メーターはシンプルな独立3眼で、左から燃料計&補機類、スピードメーター、アナログ時計が並ぶ。ライトやワイパーなどはスイッチ式で、ステアリングコラムの左右に配置。


>>トランスミッションはトレメック製TKO600というオーバードライブ付き5速に換装。シフトノブはハースト製。

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【5】へ続く

初出:ハチマルヒーロー vol.044 2017年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ポンティアック GTO ジャッジ(全5記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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