「いちいちヘコんでいたらプライベートチューナーはやっていけない」プライベーターの特権とは|1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ【5】

大きく張り出した迫力のリアフェンダーは、片側80mm以上のオーバーサイズ。ワイドすぎて、ちょうどなタイヤが見つからずセッティングに四苦八苦。マフラーはこれで3本目となる柿本改の特注品

【4】から続く

ノーマルからエンジン換装を経て、ボアアップ&フルチューンへ。それが、L型パワーアップのステップアップだ。最終的にはNAのままでも300psオーバーが狙え、このS130Zもその領域にあった。しかし、それでもオーナーは満足できず、Z仲間や現行モデルをブチ抜きたいという思いで、ターボチューンにチャレンジ!

【時代を突き進むL型チューンド! 1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ Vol.5】

 インターネット通販で購入したタービンに問題があったようで、思うようにブーストがかからない症状に見舞われているらしいS130。

「自分でチューニングをしていたら、こんな事態はしょっちゅう起こるし、いちいちヘコんでいたらプライベートチューナーはやっていけない。あせる必要はないし。自分のクルマ、納得いくまで時間をかけられるのが、プライベーターの特権です」と話す。

 L型チューンの結果だけではなく、過程や苦労も楽しんでいるのだ。そんなオーナーには、ツインターボ仕様と同様に、納得していないポイントがあって、それがタイヤサイズだ。ワイドボディにあこがれて手に入れたオーバーフェンダーに合う極太タイヤが見つからないのだ。現在は、フロントがS007の235/40、リアがRE050Aの265/40。ホイールはTE37VSLのフロント17×9.5Jマイナス15、リア17×10.5Jマイナス25の組み合わせで、フロント25mm、リア50mmのスペーサーを装着。極太ホイールに合うタイヤが無いのが現実だ。

「タービン交換が最重要課題ですが、オーバーフェンダーに合う太さのタイヤサイズが見つからないのが悩みの種です」とオーナーは苦笑する。

>> 【画像24枚】ボルクレーシングTE37 VSLを選択したホイールなど。サイズはフロントが17×9.5J -15、リアが17×10.5J -25。フロントに25mm、リアに50mmのスペーサーを入れ、トレッドを目一杯に広げて入る。タイヤはフロントがポテンザS007の235/40R17、リアはRE050Aの265/40R17だが、まだまだ余裕がある




>> S130Z用の3分割リアスポイラーのセンター部分だけを流用し、跳ね上げスタイルが印象的なルーフスポイラーとした。





>> ウイングはR32GT-R用を短縮加工して装着している。エンジン仕様を示すエンブレムが誇らしげ。

OWNER’S VOICE

20歳代の頃、就職先はクルマの合法チューニングもカスタムもNGという状態を2年はガマンしたが……、心機一転、チューニグOKの職場に転職。「クルマが趣味なんですが、イジるのは基本自分の愛車Zだけで、人のクルマはプロではないので、やりません」とオーナー。今後の予定としては、「まずは不調なタービンの交換。それとブレーキ、エアコンの修理も……」とやりたいことはまだまだつきないようだ。


1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ(S130)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フロントバンパータイプスポイラー、エバ製サイドステップ/リアバンパースポイラー、R32GT-R用リアスポイラー短縮加工、S130Z用3分割リアスポイラー流用ルーフスポイラー、ボンネット加工、オーバーフェンダー
■エンジン:L28型改3.1Lツインターボ仕様(ボアφ89mm×ストローク83mm)、圧縮比10.8、亀有製鍛造ピストン/75Aカム/強化バルブスプリング、LD28型用クランク、NISMO製1.2mmガスケット、TD06-20Gタービン×2
■吸排気系:SKサンヨー製スポーツインジェクションキット(φ45mm)、HKS製サージタンク、柿本改製ワンオフφ80mmマフラー(テールφ100mm)
■点火系:WAKOテクニカル製LA700/CP1200/パワーエキスパンダー、三菱製デスビ改MoTeC仕様
■制御系:MoTeC M4、トラスト製VVC
■冷却系:ブリッツ製インタークーラー、セトラブ製オイルクーラー
■駆動系:亀有製強化クラッチ&超軽量フライホイール
■燃料系:R32GT-R用インジェクター流用
■サスペンション:亀有製車高調(F/R)8kg/mm
■タイヤ:ポテンザ(F)S007A 235/40R17 (R)RE050A 265/40R17
■ホイール:ボルクレーシングTE37V SL(F)17×9.5J -15 (R)17×10.5J -25
■インテリア:レカロ製SRⅢ×2脚、オートメーター製タコメーター、HKS製追加メーター(燃圧、ブースト)、大森メーター製排気温度計、PLX製A/Fメーター

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ(全5記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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