集大成ともいえるエンジンのインジェクション・ターボ化! L28型改3.1L+TD06‐20G×2|1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ【3】

エンジンは、これまでのL28型改3.1Lをベースにそのままツインターボ化。L28型改3.1Lはオーナーがあこがれる柿本改が得意としたチューニングでもある

【2】から続く

ノーマルからエンジン換装を経て、ボアアップ&フルチューンへ。それが、L型パワーアップのステップアップだ。最終的にはNAのままでも300psオーバーが狙え、このS130Zもその領域にあった。しかし、それでもオーナーは満足できず、Z仲間や現行モデルをブチ抜きたいという思いで、ターボチューンにチャレンジ!

【時代を突き進むL型チューンド! 1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ Vol.3】

「このクルマのことで、自分でやれないことはありません。確かにトラブルも多くて大変だったけど、おかげで知識が増えたし、技術も磨けました。そういう意味でも、僕には最高のZです」

 そう話すオーナーにとって、4年前に踏み切ったエンジンのターボ化は、自身のS130チューンの集大成ともいえる。ノーマルのL20型をベースにしたチューニングから始まり、L28型への換装、さらに3.1Lに排気量を拡大してのフルチューンまで。NAチューンの全てを経験してきて、ターボチューンだけは未知の領域だったが、文字通り、これでL型チューンをひと通り経験することになった。

 L28型改3.1L+TD06‐20G×2というのが、L型ターボチューンの全容だ。エンジン本体はこれまでのL28型改3.1L仕様をほぼそのまま使用し、キャブレターは信頼性の面からインジェクションシステムに変更した。インタークーラーはブリッツ製を装着し、ブースト調整はトラストの機械式VVCでコントロール。エンジンの制御はモーテックM4。目標とするパワーは450㎰で、完成すればこのチューニングに挑戦する動機となった、Z仲間や現行モデルのクルマについていき、あわよくばブチ抜きたいという思いが実現するかもしれない。


>> 【画像24枚】エンジンルームの温度を大幅に下げることに成功した加工ボンネットなど。冷却効果が最も高かったのが先端2つのNACAダクト。この形状は空気抵抗を低くおさえつつ、流入量をかせげるメリットがあるそうだ



>> 吸気システムはSKサンヨーのスポーツインジェクション。サージタンクは、HKSの当時モノ。ブローオフバルブはブリッツ。ターボチューンならではの戦闘的なサウンドも満喫!





>> タービンはTD06-20Gをツインで搭載。ただし、不調につき再購入を検討中。


1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ(S130)

SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フロントバンパータイプスポイラー、エバ製サイドステップ/リアバンパースポイラー、R32GT-R用リアスポイラー短縮加工、S130Z用3分割リアスポイラー流用ルーフスポイラー、ボンネット加工、オーバーフェンダー
■エンジン:L28型改3.1Lツインターボ仕様(ボアφ89mm×ストローク83mm)、圧縮比10.8、亀有製鍛造ピストン/75Aカム/強化バルブスプリング、LD28型用クランク、NISMO製1.2mmガスケット、TD06-20Gタービン×2
■吸排気系:SKサンヨー製スポーツインジェクションキット(φ45mm)、HKS製サージタンク、柿本改製ワンオフφ80mmマフラー(テールφ100mm)
■点火系:WAKOテクニカル製LA700/CP1200/パワーエキスパンダー、三菱製デスビ改MoTeC仕様
■制御系:MoTeC M4、トラスト製VVC
■冷却系:ブリッツ製インタークーラー、セトラブ製オイルクーラー
■駆動系:亀有製強化クラッチ&超軽量フライホイール
■燃料系:R32GT-R用インジェクター流用
■サスペンション:亀有製車高調(F/R)8kg/mm
■タイヤ:ポテンザ(F)S007A 235/40R17 (R)RE050A 265/40R17
■ホイール:ボルクレーシングTE37V SL(F)17×9.5J -15 (R)17×10.5J -25
■インテリア:レカロ製SRⅢ×2脚、オートメーター製タコメーター、HKS製追加メーター(燃圧、ブースト)、大森メーター製排気温度計、PLX製A/Fメーター

【4】に続く

初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 日産 フェアレディZ 2by2 Tバールーフ(全5記事)

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【1】【2】から続く

text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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