水没車再生プロジェクト。最後の1台! 前期型トヨタ2000GTも修復完了 【13-1】ニッポン名車物語 復活編 第13話

グリル内のメッシュやラジエーター下のルーバー加工など、使用感がなく美しい状態。ボルト類もサビがなく新品と思える仕上げだ

       
ビンテージカーヨシノの水没車再生プロジェクトがついに完了する。連載開始から2年という短期間で4台(本誌で紹介したのは3台だが、もう1台、S30フェアレディ240ZGもあった)も再生し、どれも新車と見まがうほどの状態に仕上げている。これはまさに偉業といえる。最後となった前期型トヨタ2000GTの完成度をとくとご覧あれ。

【 ニッポン名車物語 復活編 第十三話 Vol.1】

 2015年9月10日に起こった鬼怒川水系氾濫による大災害は、4台のビンテージカーにも重大な被害を及ぼした。このクルマたちの修復依頼が、ビンテージカーヨシノに寄せられたのは、この記事から2年半前(2015年の終わり〜2016年のはじめ)のことだが、連載企画はクルマが乾燥して作業が開始できるタイミングとなった、ちょうど2016年6月号からスタートした。この2年の間に後期型トヨタ2000GT、S30フェアレディ240Z‐Gの2台を完成させてオーナーの元に納車している。そしていよいよ、最後の最もダメージの大きかった前期型トヨタ2000GTも完成の運びとなった。


>> 【画像17枚】ウォールナット仕上げのオリジナルを使用したインパネなど。計器類も水没の影響はあったもののすべて稼動する状態となっている。ハーネス類は基本はオリジナルを使用しているが、これまでの修理歴から独自の配線部分があり、それらはすべてオリジナル状態に戻すために、ビンテージカーヨシノが部分的に作り替えている



>>エンジン、ミッション、デフと機関部は、オーバーホールしたうえでベアリングやメタル類など消耗部品はすべて交換。タイミング調整も行われており、完全燃焼する状態にセッティングされている。もちろんキャブレターの同調やジェット選定などで燃調もエンジンに合わせて完ぺきな状態。これはビンテージカーヨシノのスタッフが、実走行テストして調整されたもの。ラジエーターはビンテージカーヨシノのオリジナルに交換している。






>> スチール部分の黒いチッピング塗装に、アルミ部分はウオーターブラストで磨き上げられており、使用感が一切ない下回りの美しさは格別。




>> ランプ系のレンズ類やウインドーガラスは装着されていたものを使用しているが、研磨により透明感のある新しさを実現している。


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年6月号 vol.187
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第十三話(全2記事)

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photo : VINTAGE CAR YOSHINO/ビンテージカーヨシノ NOSTALGIC HERO/編集部

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