トヨタ2000GT、エンジンまで水没したその内部

着々と再生作業が進行している、赤のトヨタ2000GT後期型。今回は前回と多少前後するが、エンジンオーバーホールと搭載の作業をお見せする

       
着々と再生作業が進行している、赤のトヨタ2000GT後期型。今回は前回と多少前後するが、エンジンオーバーホールと搭載の作業をお見せしたい。水没車のため、エンジン内部への浸水が懸念され入念な清掃が必要である。3M型エンジンのウイークポイントを知り尽くした的確な作業内容は要チェックだ。

【 ニッポン名車物語 復活編 第五話 Vol.1】

 3台の水没車の修復作業をていねいに続けている、ビンテージカーヨシノ。2台のトヨタ2000G‌Tのうち後期型は、奇跡的にダメージが少なかったことから作業は順調に進んでいる。今回は、エンジンのオーバーホールと搭載に関しての報告をしよう。

 水没車は、ブロアなどからエンジン内部に汚れや水が侵入している恐れが高く、実際にエンジンを開けてみるとウオータージャケットにサビやダスト、これらが水没による汚れとオイルが混じってヘドロ状態になってオイルパンにたまっていたという。これはもちろん取り除いて洗浄した。シリンダーヘッドには歪みはなかったので、作業はサビと汚れのクリーン化のため修正研磨を行っている。研磨は0.1〜0.2‌mmの範囲で汚れとサビの除去はもちろん、凹凸をきれいにならしている。その精度は職人技といって間違いない。そしてシリンダーブロックは、ウオータージャケットの洗浄と全体を修正研磨によって再生させている。


>> 【画像20枚】特にウオータージャケット(湾曲した縦長の穴)内は汚れやサビが出ているシリンダーブロックなど。そしてスタッドボルトのホール部分にもサビが出ており、対策が必要。しかしどうにもならないという深刻なダメージになっていなかったことは幸い




>> シリンダーヘッドの内側部分は、オイルにじみや汚れが全体的に回っている状態。エンジンまで水没するとこのように悲惨な状態に陥ってしまう。





>> オーバーホールを終えたシリンダーブロック。ボアやウオータージャケットも洗浄と修正研磨がなされており、メカニックの仕事ぶりの確かさが光る。


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 vol.179
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第五話(全4記事)

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photo : NOSTALGIC HERO/編集部

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