新車以上に美しい状態に! 約2年半で4台の水没車を復活させた偉業【13-2】ニッポン名車物語 復活編 第13話

ペガサスホワイトのカラーが美しすぎる仕上げのボディ。メッキ部分に曇りなどもなく、新車のクオリティーといっても過言ではない状態だ

       
ビンテージカーヨシノの水没車再生プロジェクトがついに完了する。連載開始から2年という短期間で4台(本誌で紹介したのは3台だが、もう1台、S30フェアレディ240ZGもあった)も再生し、どれも新車と見まがうほどの状態に仕上げている。これはまさに偉業といえる。最後となった前期型トヨタ2000GTの完成度をとくとご覧あれ。

【 ニッポン名車物語 復活編 第十三話 Vol.2】

【1】から続く

 この個体は元々ボディに経年劣化があったが、水没によって追い打ちがかかって深刻な状態だった。フロアの腐食部分は穴が開いた状態だったし、サイドシルのダメージも悲惨な状態だった。これらを完全に作り直して、ボディ強度に外観の美観を整えてオリジナル状態にしている。その後、ボディ塗装は溶剤などは使用せずにすべて手作業で完全剥離してから、外板および下回りを再塗装するという徹底ぶりも、これから長く乗り続けていけるコンディションにするためのビンテージカーヨシノだからこその真骨頂といえる。

 完成したクルマをじっくり見て頂くると分かると思うが、ペガサスホワイトのボディと、下回りのチッピング塗装によるブラック部分に、オイルパンやミッションケースなどアルミ部分はウォーターブラストできれいに磨き上げられ、一点の曇りもなく新車以上に美しい状態にまで仕上げられている。劣化したうえに、泥だらけだったクルマは新車同然の輝きをみせる完ぺきな再生がなされたのだ。

>> 【画像17枚】美しく仕上げられたサービスボックスの内部など。サービスボックスのふたは取り外しできる機構となっており、パッキン類はすべて生きている。エアクリーナーは当然、新品に交換されている



>> インパネはウォールナット仕上げのオリジナルを使用。計器類も水没の影響はあったもののすべて稼動する状態となっている。ハーネス類は基本はオリジナルを使用しているが、これまでの修理歴から独自の配線部分があり、それらはすべてオリジナル状態に戻すために、ビンテージカーヨシノが部分的に作り替えている。





>> インテリアのファブリック系はすべて張り替えられており、ここも新車同然の使用感がない状態に。これらはビンテージカーヨシノならではの上質な表皮を使用する。



初出:ノスタルジックヒーロー 2018年6月号 vol.187
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第十三話(全2記事)

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【1】から続く

photo : VINTAGE CAR YOSHINO/ビンテージカーヨシノ NOSTALGIC HERO/編集部

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