水害を受けた2台のトヨタ2000GT、その復活までを追う【1-1】ニッポン名車物語 復活編 第一話

屋根まで水に漬かるという、目を覆いたくなるような状況のトヨタ2000GT。この前期型の他、赤の後期型も現場にあった

       
2015年9月、北関東での記録的豪雨により鬼怒川の堤防が決壊、広範囲に水害をもたらしたのは記憶に新しい。この災害にあろうことか2台の貴重なトヨタ2000GTが巻き込まれていた。屋根上まで浸水してしまった2000GT、その復活にビンテージカーヨシノが立ち上がった。

【 ニッポン名車物語 復活編 第一話 Vol.1】

 ビンテージカーヨシノの工場に、泥だらけのトヨタ2000GTが運び込まれたのは2015年9月24日のことだ。この年の9月10日、北関東から東北にかけての記録的な集中豪雨により、茨城県常総市で鬼怒川堤防が決壊した。ニュースでその様子をご存じの方も多いだろう。

 このトヨタ2000GTは、まさにその現場にあった。とあるマニアが所有し、5年ほど前に一度レストアされ、普段はガレージ保管されていた。オーナーもまさかガレージごと水にのまれるなど想像しなかっただろう。

 この大事件に救いの手を差し伸べたのがビンテージカーヨシノだ。名車トヨタ2000GTを後世にも残したいとレストアに力を入れ、メーカー製造廃止部品のリプロダクトまでも行ってきた。過去にビンテージカーヨシノの手でレストアされ、復活を果たしたトヨタ2000GTは数知れない。

>> 【画像18枚】水害から約半年が経過し、ほぼ乾燥した車両など。作業は1台ずつ、まずは前期型から。一見キレイに見えるが、泥が塗装面に食い込み、純白が失われている



>> エンジンを降ろした後のエンジンルーム。泥水の汚れもさることながら、サスペンションアームのブッシュ根元に見える乾いたグリスが気にかかる。





>> 車内フロアもこの通り、泥が残っている。水没車は独特の臭いが残るため、完全分解しクリーニングが必要となる。





>> フロントショックアブソーバーの頭頂部分。乾燥したグリスがボロボロになっている。サスペンションがこの状態では、そのまま走らせるわけにはいかない。



【1-2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 vol.175
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ニッポン名車物語 復活編 第一話(全3記事)

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photo : NOSTALGIC HERO/編集部

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