これぞ大人の趣味の醍醐味! オリジナル度が高い貴重なクラシックカーによる本気レース|2020 SIDEWAY TROPHY WINTER

スタート方式は、かつての耐久レースらしい変則ル・マン式

       
近年は初夏と初冬と、年に2回開催でヒストリックカーレースのファンに支持されている「サイドウェイトロフィーレース」。

2020年はコロナ禍の影響で5月開催予定のレースが中止となった。そして感染の状況が落ち着いたと判断された冬のレースが、2020年11月29日にホームグラウンドとして使用している袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。

サイドウェイトロフィーの特徴は、2輪と4輪のイベントが同日に開催されることにあるが、本誌では4輪を中心にレースの詳細をリポートしていく。

4輪レースは、基本的に1960年代の車両によるスポーツランとなる「RACメモリアルラン」、さらに60年代のスポーツカー/GTカーを対象とした「エバーグリーンカップ」、同時代のツーリングカーを対象とした「ティントップカップ」、そしてスポーツカー/GTカーとツーリングカーを対象とした40分耐久レースの「セブリング40分トロフィー」で構成される。

どのレースも時代背景や車両のオリジナリティーを重視するため、改造範囲を制限している。参加可能な車両は1969年製までで、オリジナルまたはレプリカの持つ雰囲気を壊す改造は認められないこと。使用できるタイヤはダンロップCR65(バイアスレーシング)に限定。キャブレターは当時使用されていた形式のものとするなどが主なところで、競技規則に記されている。

他のヒストリックカーレースでは、大幅な改造やSタイヤ、レーシングタイヤの使用、キャブレター形式の変更(CRやFCR)を自由とするところもある。しかしこの部分を制限することは、現役当時の車両コンディションでヒストリックカーレースを楽しめるようにしているというわけだ。

開催意図としては、イギリスで開かれているグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの日本版を意識した点が挙げられ、この内容に賛同するエントラントによって定期的に開催が続けられてきたレースなのである。

今回は3レースのリポートとピットで見つけた特徴的な車両、そして思わぬエントラントにお目にかかれたので、その方を紹介していきたい。それにしても参加車両はオリジナル度が高く保たれており、参加車両を見るために足を運んでくるファンが多くいることも特徴の1つとなっている。

text & photo:Akihiko Ouchi/大内明彦

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