激しさを増す雨足、台風21号の接近。それでも4レースで白熱した戦いが【1】JCCA エンデュランス筑波2017

スタートで出遅れた佐藤優のフェアレディ240Zだったが、後半戦に突入する頃には菅谷を射程に捉えるまでに。わずか10台のレースだったがKE10、KE20と最初期カローラの2ショットも

       
【イベント振り返り2017年 JCCAクラシックカーフェスティバル エンデュランス筑波ミーティング2017 Vol.1】

 JCCAクラシックカーフェスティバルにとって、2017年は天候に災いされるシーズンとなった。

 初戦となった4月の富士戦は、降雨と濃霧による視界不良のため、決勝全レースがキャンセル。そして第3戦となる今回、今度は台風21号の接近による荒天のため、2レースが走行不可能と判断され、中止を余儀なくされてしまった。

 同日は、シーズン終盤ということもあり、各地のサーキットでは諸々のイベントが予定されていたが、タイトル争いがもつれるスーパーフォーミュラの最終戦が開かれる鈴鹿サーキットでは、前日の予選を終えた時点で早々決勝の中止を決定。

 台風の進路、鈴鹿と筑波の距離差による影響の遅れなども考慮して、主催者のJCCAは様子見と判断。年3回のレースだけに、この日を楽しみに待ったエントラントも少なくなく、注意深く天候の変化を見ながら競技の続行を検討したい、とのことだった。


>> 【画像47枚】台風21号の接近により早朝から降り続く雨は時間を追うごとにその激しさを増していた。メインレース、60分耐久が始まる頃には雨足が本格化。水が浮く路面に足をとられ、いたるところでコースアウトが続出。黄旗提示の多発はおろか赤旗による中断という事態も。レース続行は危険と判断し大会審議団は最終レースTS-CUPのキャンセルを決定している


 しかし、現実は予選時からそれなりの降雨があり、予断を許さぬ空模様となっていた。実際、オープンボディで極端に車重が軽いフォーミュラカーのヒストリックフォーミュラクラスは、まともに走ることができない状態で、予選終了後にエントラント全員による話し合いが持たれた結果、主催者側にさらに天候の悪化が予想される決勝レースを棄権すると申し入れがあった。

 中止となったもう1レースは人気のTS‐CUP。1日の最後を大きく盛り上げたいという主催者側の思惑により、この日は最終レースとして組まれていたが、時間の経過とともに台風の影響が大きくなり、TS‐CUPが始まる午後3時過ぎには、レースの進行が危ぶまれるまでに状況は悪化。参加ドライバー全員の同意を得た上で中止が決定した。
「非常に残念な決定ですが、安全の確保は何にも優先することなので、最善の措置だと判断しています」とは大会を主催するJCCA岡政由代表。

 一方、スケジュールどおりに行われた4レースの中では、やはり今回の大会名にもなった60分耐久が盛り上がりを見せた。今年もクレイジー剣こと横山剣さんと桑島正美さんが同じチームから参戦。降りしきる雨の中、慎重にクルマを運んで10位完走とファンを安心させる成績を残していた。

 濃霧の富士に始まり台風の筑波で締める散々な展開となったが、重大な事故のなかった事は大きな収穫。来シーズンの活動に期待したい。




>> 台風21号の接近により早朝から降り続く雨は時間を追うごとにその激しさを増していた。今回のメインレース、60分耐久が始まる頃には雨足が本格化。水が浮く路面に足をとられ、いたるところでコースアウトが続出。黄旗提示の多発はおろか赤旗による中断という事態も。レース続行は危険と判断し大会審議団は最終レースTS-CUPのキャンセルを決定。



【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

JCCAクラシックカーフェスティバル エンデュランス筑波ミーティング2017(全3記事)

関連記事:モータースポーツの世界へ

関連記事:筑波サーキット

text : AKIO SATO/佐藤アキオ photo : RYOTA SATO/佐藤亮太

RECOMMENDED

RELATED

RANKING