価値を損なわず、評価をキープする時計選び|ヴィンテージウオッチの奥深き世界 その3

       
アンティークテイストは男のロマン | ヴィンテージウオッチの奥深き世界 その3

 ヴィンテージウオッチの評価や価値は、それぞれの個体によって異なるもの。そこで今回は、「価値が下がらない」や「時間の経過とともに価値が上がる」などのリスクヘッジにつながる時計選びのポイントを解説する。腕時計の楽しみ方を充実させるための、重要3項目を心得るべし!
 特に今回はヴィンテージウオッチにまつわる、価値を損なわないための秘けつを考えてみる。もちろん購入時に必要な目利きポイントや、プレミアムが付くタイミングについても考察する。 まず大前提として、自分の好きな時計を選ぶこと。これに加え、時計である以上しっかりと時を刻むことが重要。その上で、ヴィンテージアイテムは時がたつと必然的に評価は高まるもの。しかし短期的には思うようにはならないのが道理。中長期的にコンディションを落とさずに所有すること。それには購入店との信頼関係を構築し、安心してメンテナンスを任せられるお店や工房を選ぶことが肝心だ。 さらに今回は、ヴィンテージウオッチを長く楽しめて、所有する喜びを持続する提案もしておきたい。

#01「将来的に損をしないヴィンテージウオッチとは何か」
●状態の良い個体は世界的に減る一方。世界中のコレクターがコンディションの良い個体を求めており、競争が激しいのが実情。
●過去にはきれいに仕上げた個体が好まれたが、現在はアンタッチでナチュラルなオリジナリティーの高い個体が求められている。
●時計として正確に動作する状態を長く維持することで、その評価を下げることはない。
●ケース、ダイヤル、ベゼル、針など整合性が大切。モデルごとの人気のディテールを知ることも重要。
●人気モデルのデッドストックやミントコンディションは奇跡の個体。現状でも高価であるが天井知らずに価値が上がる可能性を持つまれな存在。



#02「次世代に向けてケアーズが提案するヴィンテージウオッチの楽しみ」

●新世代のアイテムでも高く評価すべき個体は多く、固定概念にとらわれない価値を見いだしていく。これは安易なネオヴィンテージの推奨ではなく、新たな発見や出合いを期待できる。
●ヴィンテージウオッチの楽しみ方として、これまで蓄積してきた備品や信頼できるプロカメラマンによる「スタジオケアーズ」で写真撮影のサービスを展開。時計にまつわる記念日的な喜び、着用以外でも時計を感じるアップデートした時計ライフを創出する。
●ヴィンテージウオッチの雰囲気を損なわない、最高品質を誇る革ベルトコレクション(フランスのジャン・クロード ペラン製品)を大幅に展開、新たな魅力をプラス。
●将来安心して売り買い、リペアができる環境作りも大切。継続していくために未来へつなげる人材育成も行っており、技術継承している。


コレクションしていくなかでの新たなアプローチが「スタジオケアーズ」のサービス。プロカメラマンが美しい写真撮影を行い、パネル化して仕上げてくれる。新しいヴィンテージアイテムの楽しみ方といえる。


ヴィンテージウオッチのイメージを壊さない、革ベルトとしてケアーズが推奨する「ジャン・クロード ペラン」の製品。染め、仕上げとも上質な革を使用し、手縫いの縫製など最上級の味わいを提供する。

#03「価値を下げないためにこそ重要な要素が修理」
●貴重な時計をしっかり扱える技量の高い店舗や修理工房を選ぶこと。それぞれの評判など情報収集が必要。
●多種多様なヴィンテージウオッチは、職人にとっても経験を問われるもの。長く継続している工房は信頼の証しとなる。
●ヴィンテージウオッチのメンテナンスは、どこでも受け付けてくれものではない。基本は購入店。近い将来どこで購入し、今後どこでメンテナンスしていけるのかが、リセールの時の時計の価値に大きく反映される時代が来るかもしれない。
●結局は最初の状態が大事。価格だけにとらわれずコンディションの良い個体を購入する事が価値を維持するためのいちばんの秘けつ。
●ケアーズではケース洗浄してから販売している。ヴィンテージでありながら、クリーンな印象を備えると共に、腐食や汚れからの劣化を防ぐ。

実際に修理する職人から直接話が聞ける環境、信頼のリペアマン
ケアーズ丸の内店 修理工房 鈴木喜幸さん

 丸の内店の修理工房に常駐するリペアマンの鈴木喜幸さん。21年のリペア実績があり、ヴィンテージウオッチに対する豊富な知識と経験を持つ。大切な時計を長く愛用していけるように、誠実に向き合ってくれる人物だ。同じ修理でも、どこまで行うかは工房や職人それぞれ。鈴木さんは、修理完了後も長くその状態を維持するための修理まで心掛けているという。まさに「安心と信頼」という言葉が当てはまる。ケアーズ丸の内店では時計の販売だけでなく、鈴木さんのような優秀なリペアマンに直接修理をお願いすることができる特別な環境がある。他店で購入した時計でも、扱える状態かを判断したうえで対応している。 左下の写真は分解したムーブメントを洗浄している様子。販売する時計は、このムーブメント洗浄と注油に加え、ケース洗浄もしている。定期的なメンテナンスは長く良い状態を保つ秘けつだそう。 


ケアーズでヴィンテージウオッチの魅力を再発見する

 ケアーズはヴィンテージウオッチの専門店で、東京都内に3店舗を展開する信頼と安心のショップ。真贋はもちろん、専門的な大型修理工房を自社内に構え、価値ある時計を最高のコンディションで提供する。昨年11月にオープンした新店舗、丸の内店では時計の新たな楽しみ方として「スタジオケアーズ」(愛用時計の撮影サービス)やヴィンテージウオッチにマッチする革ベルト(ジャン・クロード ペラン製品)の拡充など、他店にない魅力を発見する提案を積極的に実施する。


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text : Nostalgic Hero/編集部 photo : Ryota Sato(SAKKAS)/佐藤亮太(サッカス)

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