英雄・リンドバーグも愛用したブランドの名作モデル。ロンジン チェコスロバキア軍|ビンテージウォッチの奥深き世界

文字盤素材にはポーセリン、エナメル、スチールの3種類が存在するが、こちらは最終型のスチールタイプ

       
かつてはトップブランドの一角を形成し、自社でムーブメントを製造するなど興盛を誇ったロンジン。ロレックスと並ぶほどの名声と実力を誇ったこの名門の魅力に触れる。

【ロンジン チェコスロバキア軍|ビンテージウォッチの奥深き世界】

20世紀前半に起きた二度の世界大戦は、人類に大きな悲劇をもたらす一方で、皮肉にも腕時計の発展を促したことで知られている。例えば、戦場での一瞬の判断遅れは命取りになる。ポケットから取り出す動作が必要となる懐中時計は、当時すでに無用の長物だった。戦争の仕方は無線通信で仲間と同時に作戦を遂行することが重要になっていたため、各国軍隊は精度の高い腕時計を強く求めていたのである。

当時のロンジンは計時技術の高さを武器に興盛を誇っていたブランドだ。1896年に第1回アテネオリンピックに試験的に採用されると、1919年には国際航空連盟に公式認定。27年にはイギリスの英雄・リンドバーグをサポートして世界初の単独大西洋無着陸横断飛行の成功に導いたことでも広く知られていた。

そんななか各国の軍隊がロンジンに目をつけたのは自然の成り行きだったといえる。とくに空軍はこぞって同社に腕時計を発注。市販モデルの流用ではなく、ゼロから作り上げられた専用モデルは、数多くのパイロットから賞賛されるに至った。

なかでも名作と称されるのがチェコスロバキア空軍モデルだ。パイロットウオッチらしい大型ケースと高い視認性、それに当時としては珍しい耐磁性を兼備。現在でもファンから高い人気を集めるビンテージモデルである。

軍用時計だけに高い耐久性は特筆もの。長く使い続けられる一生モノの1本にはぴったりなので、ぜひ選択肢に入れたい。

【画像9枚】モータースポーツの隆盛とともに、精密なレース計器としてクロノグラフは発展していった


>>ベゼルを回転させると一緒に動く赤いポインター。これに指針を合わせることで当時は経過時間を計測していた。


>>ケースバックには軍用時計を示す文字と識別コードが刻印されている。



現行モデルならこれ!



ヘリテージ コレクションコラムホイールクロノグラフ

時刻以外に、日付、曜日、月齢を備える多機能クロノグラフ。凹凸を生むギョシェ加工を施した文字盤やブルースチール針がクラシカルな雰囲気を主張。30m防水。ケース42㎜。





マスターコレクションクロノグラフムーンフェイズ

時刻以外に、日付、曜日、月齢を備える多機能クロノグラフ。凹凸を生むギョシェ加工を施した文字盤やブルースチール針がクラシカルな雰囲気を主張。30m防水。ケース42㎜。



ジャックロード

ビンテージ、現行品問わず幅広い品揃えを展開する、東京・中野ブロードウェイの老舗時計店。総在庫本数は常時6000本を超え、訪れるたびに新しいモデルに出合える。





初出:ノスタルジックヒーロー2018年12月号 Vol.190
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ロンジン チェコスロバキア軍|ビンテージウォッチの奥深き世界

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photo:Takefumi Taniguchi/谷口岳史

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