新品ホワイトボディで組んだMG-B【前編】パワーではなく、操る楽しさを味わうスポーツカー|1965年式 MG MG-B

メッキグリルとオーバーライダー付きバンパーのコンビネーションが、クラスを超越する上質さを演出。単に安価なスポーツモデルでないことを物語る。やはりMG-Bといえば1974年以降のウレタンバンパー仕様ではなく、このスタイルが美しい

       
【欧州名車列伝|1965年式 MG MG-B 前編】

1950~60年代の英国で数多く誕生した「ブリティッシュ・ライトウエイト・スポーツカー」は、北米市場を中心に、その手軽さと走りの楽しさから、幅広い層から支持された。そんな英国製ライトウエイトスポーツの代表格といえるクルマがMGBだ。

1910年にモーリス・ガレージとして発足したMGは、第二次世界大戦以前から、良質な小型量産スポーツカーを製作していた。その後複数企業によるナッフィールド・グループを形成し、さらにオースチン社と合併することで、52年に「BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)」を結成。MGはBMC内のブランドとなった。この経緯から、62年にMG-Aの後継車として誕生したMG-Bには、オースチン系、ナッフィールド系と双方のコンポーネンツが流用された。

【画像13枚】ヘッドライトはLED化されており、オリジナルの雰囲気を残しつつ現代的な設定としている。バンパーやグリルといったメッキパーツは、新品を装着している

MG-A時代のラダーフレームから、MGミジェットやオースチン・ヒーレー・スプライトで実績を積んだモノコックボディを採用。MG-Aよりサイズは大きくなったものの、車両重量はほぼ同じにキープした。搭載されるエンジンはBMC Bタイプ型の直列4気筒OHV。MG-Aと同様の旧式な3ベアリングエンジンだが、排気量は拡大されて1798cc、出力は95psとなった。ちなみに、日産オースチンA50にもこのエンジンが搭載され、後に日産が開発したG型エンジン(初代セドリックやSP310フェアレディに搭載)に影響を与えたことでも知られている。


張り替えられた幌は内装色に合わせてベージュを選択。純正にはないカラーだが、オールドイングリッシュホワイトのボディカラーと絶妙なマッチングをみせている。



クーラーのない個体では、風を室内に取り込むなど重要な役割を果たす快適装備の三角窓。検査終了のOKステッカーが、数少ない当時を感じさせる部分だ。



ソフトトップの収納は、ビニール製リアウインドーごと丸めていく方式となっている。
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【2に続く】
初出:ノスタルジックヒーロー 2020年10月号 Vol.201
      (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


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1965年式 MG MG-B|欧州名車列伝(全2記事)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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