シャリオ クロニクル【9】8年のモデルライフを経て2台めに突入。シャリオの代名詞となるクリスタルルーフの登場

2代目シャリオ

多人数乗車といえばキャブオーバーのワンボックスしかない80年代初頭。当然ながらミニバンという言葉もないこの時代に、ライバルの日産・プレーリーとともに新たなジャンルを切り開いた偉大な三菱・シャリオ。今ではマイナーな存在になってしまったが、日本一のシャリオマニアのもとを訪れ、初代を中心にその足跡をたどってみよう。

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こうした改良を経て、8年という長いモデルライフを送ったシャリオは、91年5月に2代目へ移行。搭載エンジンは2Lの4G63型のみで、FFと4WDを設定。93年にシャリオの代名詞となるクリスタルルーフを導入した。

94年にはフォグランプ内蔵フロントバンパーを採用するなど、大幅なマイナーチェンジを実施。後期モデルとなる。95年にも大きなトピックがあり、ランエボ譲りの4G63B型インタークーラーターボを投入。このエンジンを搭載したリゾートランナーGTは、最速ミニバンと称され人気を集めた。

このほか、ロスアンデスやロードなどの特別仕様車や、おそらく国産メーカーとしては初となる普通車ベースの車いす対応福祉車両が特装車として生産されたことも2代目の特徴だ。
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>>この個体はリゾートランナーGTをベースとした特別仕様車のロードで、初代RVRスポーツギア用のオーバーフェンダーや背面タイヤ、リアバンパーを追加した3ナンバー仕様。室内もスポーティーな仕立てとなる。リゾートランナーGTに標準装備されるのは運転席上のみのサンルーフだが、代名詞のクリスタルルーフは2列目頭上も大きなガラスルーフとなり、スライド開閉も可能だ。


>>ハイルーフに架装し、スロープも装備した車いす仕様の福祉車両。普通車ベースのメーカー特装では日本初。

主要諸元 Specifications
1986年式 シャリオ 1800 MRターボ ELC A/T(D03W)

全長×全幅×全高(㎜) 4445×1640×1525
ホイールベース(㎜) 2625
トレッド前/後(㎜) 1410/1375
車両重量(㎏) 1150
エンジン型式 G62B型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1795
ボア×ストローク(㎜) 80.6×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps/rpm) 135/5800
最大トルク(㎏-m/rpm) 20.0/3500
変速比 1速2.846/2速1.581/3速1.000/
後退2.176
最終減速比 3.665
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク
    後 リーディングトレーリング
タイヤ 185/70SR13(前後とも)

【8】から続く

初出:ハチマルヒーロー2017年7月号 vol.42
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

シャリオ クロニクル(全9記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ  PHOTO:AKIO HIRANO/平野 陽

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