シャリオ クロニクル【5】これがおそらく日本一きれいな初代シャリオ。ターボエンジンやスポーツシートを装備した本格仕様

新車から金倉家で可愛がられているシャリオ。フルオリジナルの状態が維持され、ボディのコンディションも抜群。これほどまでにキレイな個体はお目にかかったことがない

多人数乗車といえばキャブオーバーのワンボックスしかない80年代初頭。当然ながらミニバンという言葉もないこの時代に、ライバルの日産・プレーリーとともに新たなジャンルを切り開いた偉大な三菱・シャリオ。今ではマイナーな存在になってしまったが、日本一のシャリオマニアのもとを訪れ、初代を中心にその足跡をたどってみよう。

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ボディは新車のように輝き、室内もまったく傷みがない。コンクールコンディションレベルだ。おそらく、日本一キレイなシャリオだろう。

この個体は86年式の1800MRターボ。後ページでも解説するが、1.8Lターボは83年7月から86年9月までの3年間に販売された。つまりターボ最終モデルと言える個体だ。MRターボはモデルライフで最もパワフルな最高出力135ps(グロス)、最大トルク20.0kg‐mのG62B型ターボエンジンを搭載。このエンジン以外にもエアダムスカート付き大型フロントバンパーやホールド性の高いスポーツシートを標準装備。ライバルの日産・プレーリーにはないスポーティーさをアピールして人気を集めた。
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>>社外ラジオやターボタイマーを装着しているがほぼオリジナルを保った室内。ダッシュボード上面は自作したそうだ。MRターボはステアリングのセンターパッドに「TURBO」のロゴが入る。また、1.8ℓ自然吸気と1.6Lはステアリングの形状が異なる。


>>1.8LのG62B型シリウスEJ(エレクトロ・ジェット)ECIターボは、シャリオのラインナップの中で最もパワフルなエンジン。このほか2LのG37B型、1.6LのG32B型、1.8ディーゼルターボの4D65型を搭載。


>>MRターボは穴空きヘッドレストのスポーツシートが標準。

主要諸元 Specifications
1986年式 シャリオ 1800 MRターボ ELC A/T(D03W)

全長×全幅×全高(㎜) 4445×1640×1525
ホイールベース(㎜) 2625
トレッド前/後(㎜) 1410/1375
車両重量(㎏) 1150
エンジン型式 G62B型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1795
ボア×ストローク(㎜) 80.6×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps/rpm) 135/5800
最大トルク(㎏-m/rpm) 20.0/3500
変速比 1速2.846/2速1.581/3速1.000/
後退2.176
最終減速比 3.665
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク
    後 リーディングトレーリング
タイヤ 185/70SR13(前後とも)

【6】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年7月号 vol.42
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

シャリオ クロニクル(全9記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ  PHOTO:AKIO HIRANO/平野 陽

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