シャリオ クロニクル【6】1979年の東京モーターショーに出現した「スーパー・スペース・ワゴン」。初代を中心にその足跡をたどる

初代シャリオ

多人数乗車といえばキャブオーバーのワンボックスしかない80年代初頭。当然ながらミニバンという言葉もないこの時代に、ライバルの日産・プレーリーとともに新たなジャンルを切り開いた偉大な三菱・シャリオ。今ではマイナーな存在になってしまったが、日本一のシャリオマニアのもとを訪れ、初代を中心にその足跡をたどってみよう。

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1979年の第23回東京モーターショーに三菱は1台のコンセプトカーをお披露目した。SSW(スーパー・スペース・ワゴン)と名付けられたそれは、2ボックスの3列シート7人乗り乗用車というコンセプトで、大きな話題を集めた。それこそがシャリオのルーツであり、ボディサイズをひと回り大きくするなどブラッシュアップして、83年2月に市販車としてデビューした。

初代シャリオは改良やモデル追加を毎年実施。加えてグレードごとに専用デザインを採用するなど、仕様がかなり複雑。「オーナーでも分からなくなってきちゃうんですよね」と言うほどだ。なので、ここでは基本的な変遷を追っていこう。
【画像45枚】今ではマイナーな存在になってしまったが、日本一のシャリオマニアのもとを訪れ、初代を中心にその足跡をたどってみよう。

シャリオのモデル変遷は複雑でデザイン面では明確に前/中/後期と分けられない。というのも、グレードごとでもデザインが違うからだ。主な特徴として、前期ではヘッドライト下がフィン形状となるデザインが、中期では大型バンパーを途中から上級グレードに採用。後期は統一グリルとなり、スリーダイヤモンドを中央に配置する。リアでは初期のガーニッシュは鉄板が剥き出しだったが、途中からパネルが付くなど変更されている。


>>前期


>>中期


>>後期

主要諸元 Specifications
1986年式 シャリオ 1800 MRターボ ELC A/T(D03W)

全長×全幅×全高(㎜) 4445×1640×1525
ホイールベース(㎜) 2625
トレッド前/後(㎜) 1410/1375
車両重量(㎏) 1150
エンジン型式 G62B型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1795
ボア×ストローク(㎜) 80.6×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps/rpm) 135/5800
最大トルク(㎏-m/rpm) 20.0/3500
変速比 1速2.846/2速1.581/3速1.000/
後退2.176
最終減速比 3.665
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク
    後 リーディングトレーリング
タイヤ 185/70SR13(前後とも)

【7】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年7月号 vol.42
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

シャリオ クロニクル(全9記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ  PHOTO:AKIO HIRANO/平野 陽

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