シャリオ クロニクル【4】トラブル続きだったシャリオライフ。順風満帆ではなかったが、それでも30年近くをともに過ごしてきた

父から譲り受けたMRターボ これがシャリオマニアへの始まりだった

多人数乗車といえばキャブオーバーのワンボックスしかない80年代初頭。当然ながらミニバンという言葉もないこの時代に、ライバルの日産・プレーリーとともに新たなジャンルを切り開いた偉大な三菱・シャリオ。今ではマイナーな存在になってしまったが、日本一のシャリオマニアのもとを訪れ、初代を中心にその足跡をたどってみよう。

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シャリオマニアを邁進するきっかけとなったのが、父から受け継いだこの個体。このクルマが家に来たのは86年の春。オーナー兄弟が11歳のときで、育ち盛りの子どもがいる家族にとって、3列シート7人乗りという新しいジャンルのファミリーカーはピッタリ。以来、どんなときも兄弟とともに過ごしてきたのだが、シャリオの生活は順風満帆ではなかった。

「納車後1週間くらいでトランミッショントラブル。それから前後左右、すべての方向から追突されていますし……」とオーナー。その都度修理して乗り続けてきたそうだ。「それだけ父も好きだったんでしょうね」と付け加えた。

ここ数年もドライブシャフト、オルタネーター、AT、ラジエーターなど、故障箇所は後を絶たない。「もう30年25万kmですからね。部品もなかなか出てこなくて多少の苦労はありますが、何とかなってます」というが、とても30年前とは思えない。
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>>ステンレスの薄い板に模様が刻まれている凝ったグリルモール。モデルライフの中で最も長く使われていたデザインだが、モデルによって異なる。


>>ストライプが入った「CHARIOT TURBO」のデカールもキレイに残る。このデカールも仕様やグレードによって異なり、4WDの場合はサイドモールの上に「CHARIOT 4WD」が付く。


>>ターボ純正のスチールホイール。アルミホイールはオプションで、仕様ごとに専用デザインが用意された。

主要諸元 Specifications
1986年式 シャリオ 1800 MRターボ ELC A/T(D03W)

全長×全幅×全高(㎜) 4445×1640×1525
ホイールベース(㎜) 2625
トレッド前/後(㎜) 1410/1375
車両重量(㎏) 1150
エンジン型式 G62B型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1795
ボア×ストローク(㎜) 80.6×88.0
圧縮比 7.5:1
最高出力(ps/rpm) 135/5800
最大トルク(㎏-m/rpm) 20.0/3500
変速比 1速2.846/2速1.581/3速1.000/
後退2.176
最終減速比 3.665
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク
    後 リーディングトレーリング
タイヤ 185/70SR13(前後とも)

【5】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年7月号 vol.42
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

シャリオ クロニクル(全9記事)

TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ  PHOTO:AKIO HIRANO/平野 陽

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