残された期間はわずか2年。急ピッチで開発が進んだセド・グロの3ナンバー車|1991年式 セドリックシーマ タイプⅡリミテッドAV【2】

ボンネットに誇らしげに掲げられるフードマスコットは、「アカンサス」という植物の葉をモチーフしている。これは古代ギリシャ以来、さまざまな装飾に用いられている

究極のレパードを手にしたいユーザーたちをフルサポートするカーショップフレンド。レパードに魅せられ、理想の1台を手に入れるべく同店の門を叩いたオーナーたち。両者の想いがひとつになったとき、厚い信頼関係と強い絆が生まれた。

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日産社内でも新たな3ナンバー専用車待望論と、従来どおりのセド・グロ3ナンバーの保守派と意見が大きく分かれたと聞く。しかし、販売台数は多くても年間3万台程度。

そうなると700万円台の価格設定にしないと採算が合わない計算となったため、日産としても二の足を踏んでいたのだ。だが、転機が訪れる。80年代後半に自動車税率が変更され、物品税が廃止される可能性が高くなったのだ。

とくに後者は25%もの税金が課せられていたので、これがなくなるというのは大きかった。こうした外的要因もあり、ついに正式なGOサインが出た。それが85年。発売はY31セドリック/グロリアと同じ87年が予定されていたので、残された期間はわずか2年。そこからは急ピッチで開発が進んだのだった。
【画像36枚】フルオリジナルの室内。ライトスイッチやエアコン吹き出し口などを購入後に新品交換。抜群のコンディションだ


>>ホイールベースはY31セドリック&グロリアと同じながら全長を30mm延長し、伸びやかなスタイルを実現。最大の特徴はピラーレスハードトップだ。


>>標準アルミホイールは基本的に前期/後期ともに同デザインだが、後期タイプⅡ-Sのみスポークタイプとなり、タイヤサイズも異なる。


1991年式 日産 セドリックシーマ タイプⅡリミテッドAV (FPAY31)

全長×全幅×全高(mm) 4890×1770×1380
ホイールベース(mm) 2735
トレッド前/後(mm) 1500/1520
車両重量(kg) 1670
エンジン型式 VG30DET型
エンジン種類 V型6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 255/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 35.0/3200
変速比 1速2.784/2速1.544/3速1.000/
4速0.694/後退2.275
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/65R15(前後とも)
発売当時価格 471.5万円

【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 日産 セドリックシーマ タイプⅡリミテッドAV(全6記事)

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