バンパーが大きいだけの見せかけの3ナンバーボディへの不満。バブルを象徴する「本当の」3ナンバーカー|1991年式 セドリックシーマ タイプⅡリミテッドAV【1】

バンパー下部に装備されるのはコーナーリングランプで、全グレードに標準装備

       
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バブルを象徴する1台。その筆頭に挙げられるのは、間違いなくシーマだ。Y31シーマがデビューしたのは1988年1月。まさにバブルまっただ中だ。しかし、シーマはバブル景気があったから誕生したのではなく、さまざまな状況と思惑が複雑に絡み合って生み出された偶然の産物だった。

正式車名はセドリックおよびグロリアシーマ。それが示す通り、Y31シーマはセドリック/グロリアのバリエーションのひとつという位置付けで開発された。

80年代までの日産は、セドリック&グロリアがオーナーカーの最上位車種。すでに初代の登場から20年以上が経ち、トヨタ・クラウンとともにハイオーナーカーとして確固たる地位を築いていた。

しかし、オーナーからある不満が出ていた。それが3ナンバーボディだ。従来(たとえばY30セドリック/グロリア)にも3ナンバーは存在した。だが、それは排気量が3Lクラスでバンパーを大きくしただけの、言わば見せかけ。本当の3ナンバーボディ車への声は市場から上がっていた。
【画像36枚】シーマは89年8月にマイナーチェンジが実施されているが、外観上の変更点は少なく、グリルデザインが横桟基調になったくらいだ



>>ボンネットに誇らしげに掲げられるフードマスコットは、「アカンサス」という植物の葉をモチーフしている。これは古代ギリシャ以来、さまざまな装飾に用いられている。


1991年式 日産 セドリックシーマ タイプⅡリミテッドAV (FPAY31)

全長×全幅×全高(mm) 4890×1770×1380
ホイールベース(mm) 2735
トレッド前/後(mm) 1500/1520
車両重量(kg) 1670
エンジン型式 VG30DET型
エンジン種類 V型6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 255/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 35.0/3200
変速比 1速2.784/2速1.544/3速1.000/
4速0.694/後退2.275
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/65R15(前後とも)
発売当時価格 471.5万円

【2】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 日産 セドリックシーマ タイプⅡリミテッドAV(全6記事)

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