ついに、R32GT-Rが投入される。スカイライン不敗神話の幕が開ける。|スペシャルインタビュー 長谷見 昌弘【3】

満を持して投入されたR32GT-R。ここから連勝街道が始まる

【スペシャルインタビュー 長谷見 昌弘 vol.3】

これが最終戦のインターTECになるとGTS-Rがスピードで逆転。ニスモ車がシエラを0.2秒上回ってポールポジションを獲得。ただし、ポール狙いのセッティングで、決勝は出走4台が全車リタイアだった。

長谷見昌弘がチャンピオンを獲得した89年は、全6戦でGTS-Rがポールポジョンを獲得。コース距離にもよるが0.3秒から1秒近くの差がつく状態になっていた。また、決勝での安定度も増し4勝(長谷見3勝、星野1勝)を記録するまでに熟成されていた。

そして、ついにR32GT-Rの投入である。

「なんとか頑張ってタイトルを取った89年の最終戦から4か月、90年の開幕西日本戦で状況が一変しました。GT-Rは、とにかく速くて強かった。デビュー戦の段階で完成度が高かったことも驚きだった。優れた素材を綿密に開発すればどうなるか。その見本のような回答がこの1戦でした」

5シーズンかけて追いかけてきた世界の名だたるグループAツーリングカーを相手に、スカイラインGT-Rはたった一戦でその答えを出し、決着をつけてしまったのである。

「シエラと走り、まったく負ける気がしなかった。それまで、どうすれば速くなるかと苦労し、なかなか思うようにいかなかったものが、一夜明けたらいきなり、それも格段に速くなっていた。ウソのようでしたね」

【画像6枚】R32GT-Rは、たった1戦で答えを出した。とにかく速くて強いGT-R


【4】へ続く


初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スペシャルインタビュー 長谷見 昌弘(全5記事)

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TEXT : AKIHIKO OUCHI/大内明彦 PHOTO : RYOTA SATO/佐藤亮太

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