ミニみたいだけれどミニじゃない!? ピニンファリーナのデザイン。成功を収めたBMCの次なる一手|1963年式 モーリス1100【1】

ミニのデザインの量感、雰囲気が感じられるフェンダーまわり

       
【輸入車版懐古的勇士 1963年式 モーリス1100 vol.1】

自動車史に冠たる傑作「ミニ」が、その革命的な内容にふさわしい商業的成功をようやくつかんだころ、BMC(ブリティッシュ・モーター・カンパニー)は次なる一手として、ファミリーユーザーにも訴求する、一回り大きな上級モデルの開発を進めていた。

1962年8月、まずはこの「モーリス1100」として登場したADO16シリーズは、そのコードナンバーの通り、ミニ(ADO15系)に次ぐモデル。基本はミニのコンセプトを大型化したもので、イタリアのカロッツェリア、ピニンファリーナのデザインによるコンパクトなボディ、四隅に車輪を配するパッケージングにより、限られたサイズのなかに最大限の居住空間とトランクスペースを確保していた。

最大のトピックは「ハイドラスティック・サスペンション」。ミニと同様のラバースプリングの一部に液体を封じ込めた、前後輪関連懸架である。

【画像16枚】ミニの一回り大きな上級モデルとして開発されたADO16シリーズ。前期型ADO16は、ピニンファリーナの原案どおりに長めのテールフィンが設けられるが、67年から切り替わった後期型のフィンは、より短かいものとなる


>>1960年代中盤における英国随一、あるいはヨーロッパ全体でも屈指のベストセラーであったBMC「ADO16」シリーズ。そのベーシック版に当たるモーリス1100の一台は、正規輸入されたわが国で、熱心な愛好家たちのもとを渡り歩くことになった。



1963 morris 1100

全長×全幅×全高(mm) 3727×1534×1350
ホイールベース(mm) 2375
トレッド前/後(mm) 1308/1292
車両重量(kg) 832
ボア&ストローク(mm) 64.58×83.72
エンジン型式 BMC Aシリーズ
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量(cc) 1097
最高出力(ps/rpm) 49/5100
最大トルク(kg-m/rpm) 17/2500
最高速(km/h) 125
トランスミッション 4MT


【2】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1963年式 モーリス1100(全4記事)

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TEXT : HIROMI TAKEDA/武田公実 PHOTO : JYUNICHI OKUMURA/奥村純一

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