ヴァンデン・プラ・プリンセスの兄弟車「2L車の室内空間、1.5L級の性能、1100ccの燃費、アメリカ車の乗り心地とGTカーのハンドリング」をアピールしたクルマ|1963年式 モーリス1100【2】

イタリアの名門ピニンファリーナによるデザインの端正なボディ。ミニほどのかわいらしさはないものの、独特の上品さを感じさせる。

【輸入車版懐古的勇士 1963年式 モーリス1100 vol.2】

モーリス1100の発表に際して、BMC自ら「2L車の室内空間、1.5L級の性能、1100ccの燃費、アメリカ車の乗り心地とGTカーのハンドリング」とアピールしたADO16系だが、60年代の技術水準からすれば、それは完全に達成されていたと言えるだろう。

そして、その2か月後の62年10月に発売されたMG版を皮切りに、オースティン(63年9月)/ヴァンデン・プラ(63年10月)/ウーズレー(65年9月)/ライレー・ケストレル(65年9月)というBMC傘下6ブランドから、それぞれの伝統を体現した「1100」たちが、続々と誕生することになる。

いずれの1100も、パワーユニットに選ばれたのは直列4気筒OHV1098ccのBMC「Aタイプ」で、モーリス/オースティン版はシングルキャブの50㎰。高性能が求められるMG/ライレー版、最高級モデルのヴァンデン・プラ版には、ツインキャブの55psユニットが搭載された。

【画像16枚】自動車史に冠たる傑作「ミニ」が、その革命的な内容にふさわしい商業的成功をようやくつかんだころ、BMC(ブリティッシュ・モーター・カンパニー)は次なる一手として、ファミリーユーザーにも訴求する、一回り大きな上級モデルの開発を進めていた



>>前期型ADO16は、ピニンファリーナの原案どおりに長めのテールフィンが設けられるが、67年から切り替わった後期型のフィンは、より短かいものとなる。




1963 morris 1100

全長×全幅×全高(mm) 3727×1534×1350
ホイールベース(mm) 2375
トレッド前/後(mm) 1308/1292
車両重量(kg) 832
ボア&ストローク(mm) 64.58×83.72
エンジン型式 BMC Aシリーズ
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量(cc) 1097
最高出力(ps/rpm) 49/5100
最大トルク(kg-m/rpm) 17/2500
最高速(km/h) 125
トランスミッション 4MT


【3】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1963年式 モーリス1100(全4記事)

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TEXT : HIROMI TAKEDA/武田公実 PHOTO : JYUNICHI OKUMURA/奥村純一

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