後ろヒンジのフロントドア。リアドアは? 「亀の子ルノー」の愛称で親しまれた1台|1959年式 日野ルノー 4CVデラックス【2】

リアからのシルエットが美しい日野ルノー。Cピラーのマーカーは国産独特の形状。撮影車両はバックライトがついたデラックス仕様。


【1959年式 日野ルノー 4CVデラックス vol.2】

タクシー業界ではこのアドバンテージを生かすべく、営業車両として採用する会社が増加。街中でもその姿を目にすることが多くなっていた。そして「亀の子ルノー」という愛きょうある名前で親しまれ、当時を知る人の記憶に残ることとなったのだ。

オーナーにも当時の日野ルノーの記憶が残っている。もともとは父親が通勤に使っていた車で、営業車としても利用していたようだ。とくに伊藤さんが覚えているのは、田舎への帰省時に乗っていた記憶だ。

「遠くに移動する時に利用していました。東京から福島の実家へ帰る時、このクルマに乗っていましたね。砂利の田舎道を走っている記憶は今でもはっきりと覚えていますよ」

父親からクルマを譲り受けたのは85年のこと。クルマ好きだった父親らしく、クルマの程度はよかったという。サビもなく、エンジンも不具合なく稼働していた。ただ、ボディのつやがなくなっていたので、ワックスをかけても効果は薄かったという。

そこで、オールペイントをすることに。当時の色を忠実に再現するため、元の塗料を剥離してからホワイトで下塗りし、調合されたカラーで再度本塗りした。

【画像18枚】フロントドアは後ろヒンジで前側が開く。ドアパネルには小物を入れるポケットが装着されている。大きく開くので乗り降りもしやすい



>>ホイールは専用特殊タイプ。リム付近のビスを外して、タイヤ交換をする。


>>リアフェンダーからエンジンルームに空気を取り込むエアインレットを装備。吸入口カバーもデザインされている。



初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 8月号 Vol.194

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1959年式 日野ルノー 4CVデラックス(全3記事)

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【3】に続く

TEXT:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 PHOTO:SATO RYOTA/佐藤亮太

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