ノックダウン生産開始から、約5年で100%パーツ国産化に成功した日野|1959年式 日野ルノー 4CVデラックス【1】

フランス車らしいデザインが特徴のフロントマスク。

       

【1959年式 日野ルノー 4CVデラックス vol.1】

日野がルノーと提携し、1953年にノックダウン生産を開始したのが日野ルノー。戦後間もないころの自動車メーカーはどこも同じような状況で、海外の技術を取り入れようとしていた。

ノックダウン生産されたのはルノーが46年から61年までフランスで生産した小型乗用車4CV。ロングセラーモデルで、本国フランスでは大衆車として、広く親しまれたクルマであった。

日野ではノックダウン生産を行う傍ら、国産部品の調達をスタートさせている。国産パーツは徐々に増えていって、58年には国産パーツ100%を達成。完全国産化を果たした。

まだ、未舗装道路が多かった国内の交通事情に合わせて、足回りは強化されていた。また、リアウインドーのサイズを変更するなど、日本で乗りやすいクルマへと進化。もやは国産車両と呼んでいいぐらいの仕様であった。

国産車ではめずらしいモノコックボディを採用し、ライバル車両とは一線を画していた。特徴的なリアエンジンはパッケージングがしやすく、室内は広々としていた。また、エンジンのパワーもあり、走りには定評があった。

【画像18枚】国産車では珍しいモノコックボディを採用し、ライバル車とは一線を画すデザインだった日野ルノー4CV。運転席は開口部が広く視認性が高い。ライトスイッチとホーンが兼用になっていたり、シンプルなデザインが特徴。フロント・ シートはセパレートタイプでコンパクト。デラックスはフロアにホワイトマットが敷かれていた



>>フランスの風を運んできたリアエンジン


>>4CVは水冷エンジンをリアに搭載しているのが特徴。リアのエンジンリッドの上部、中央にデザインされた装飾が施されているが、これはラジエーターキャップになる。



初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 8月号 Vol.194

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1959年式 日野ルノー 4CVデラックス(全3記事)

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【2】に続く

TEXT:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 PHOTO:SATO RYOTA/佐藤亮太

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