わずか1年半でほとんどのパーツの国産化に成功! 今では貴重な個体に|1959年式 日産オースチン A40サマーセットサルーン【2】

Nosweb 編集部 |2023/12/15 19:05 Facebook Twitter LINE Bピラーから飛び出すウインカーシグナル。リビルトパーツもあるが、厚みがあって引っかかりやすく、純正品がベスト。ウインカーを消すと、倒れるように下へ折れて、隙間に収納される


【1959年式 日産オースチン A40 サマーセットサルーン vol.2】

出荷がスタートすると同時に、少しずつ部品を国産化していき、わずか1年半でほとんどのパーツを国産化することに成功した。日産社員のたゆまない努力によって実現した結果だった。

ようやく純国産のオースチンA40の完成が間近となったころ、イギリスでは次期モデルとなるA50が誕生。モノコックボディを採用し、エンジン出力も向上していた。しかし、この出来事が日産社員の頭を悩ませた。

このまま続けてA40の純国産化を目指すか、それとも契約をし直してA50の生産に切り替えるか、という議論が繰り返されたのだ。結局、日産が選んだのはA50への方針転換。国産化に向けた取り組みは、振り出しに戻ってしまったが、最新の自動車技術を習得したのは大きかった。

その後、オースチンA50は約2万台が生産される。A40の生産台数2447台に比べて、あまりにも大きな数字であった。よって日産オースチンのなかでA40は希少な存在となってしまった。今、その姿を見ることは少ない。

【画像18枚】純正のように取り付けられたフェンダーミラーはホンダライフのパーツを流用したものだという。違和感なく取り付けられている


>>フロントフードに取り付けられたマスコットは手前に引くことで、フードのロックを解除するレバーになっている。



>>リアトランクはリッドが後方に開く。広々としていて収納力が高い。



日産オースチンA40サマーセットサルーン(A40)

全長(mm)
4050
全幅(mm)
1600
全高(mm)
1630
ホイールベース(mm)
2350
車両重量(kg)
1020
エンジン種類
直列4気筒OHV
総排気量(cc)
1197
最高出力(ps/rpm)
42/4500
最大トルク(kg-m/rpm)
8.6/2200
サスペンション前/後
独立懸架コイル式/

平行半楕円式
ブレーキ前/後
リーディング・トレーリング



初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 8月号 Vol.194

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1959年式 日産オースチン A40 サマーセットサルーン(全3記事)

関連記事:1950年代の旧車たち

【2】に続く

TEXT:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 PHOTO:SATO RYOTA/佐藤亮太

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