実は自社開発のダイハツ車は珍しい? ファミリー層も視野にいれた1台|1970年式 ダイハツ コンパーノスパイダー【1】

ダイハツ コンパーノスパイダーのフロントウインドーが立ち上がり、セダンからの派生であることを感じさせるシルエット。サイドモールのおかげで直線的イメージが強調されている

       
ダイハツが小型4輪車であるコンパーノを発表したが、後継者であるコンソルテの登場と、トヨタとの業務提携によりコンパーノは終わりを告げることになった。そして現在、そのコンパーノに目をつける方がいた。

【風と共に ファミリーで楽しめるオープンマインド 1970年式 コンパーノ スパイダー vol.1】

 ダイハツといえばミゼットが有名だが、ミゼットが登場した1957年には創業50周年を迎えていた、老舗の発動機メーカーだったのだ。おもに3輪自動車を製造し、すでに商用車メーカーとして不動の地位を築いていた。  
 
 そんなダイハツが、コンパーノを発表したのは1963年のこと。同社初となる大衆向けの小型4輪自動車だった。ライトバン、ワゴン、そしてベルリーナと呼ばれたセダンが次々とラインナップ。そして、1965年にスパイダーが登場した。  
スパイダーはエンジン排気量を約200cc増やした998ccとなり、ツインキャブレターを装着。ハイエンドモデルとしての進化を遂げた。その後、マイナーチェンジで灯火系を変更するなど、外観が変更された。
 
 1969年にコンパーノの実質的な後継車となるコンソルテが登場し、コンパーノは終えんをむかえることに。同時にダイハツはトヨタとの提携をすることになり、小型乗用車を自社開発する道は絶たれてしまったのだった。
 
 短命ではあったがコンパーノが与えたインパクトは大きかった。とくにオープンモデルはモノコックボディが主流になりつつある頃、実績のあるはしご型フレーム構造を採用していたのは特筆すべきポイントであった。
 
 おかげで、当時のオープンカーとしては珍しい4名乗車を実現し、ファミリーユースも見据えたモデルとして、広く認知されることになった。オープンのスポーツモデルでありながら、4名乗れることにアドバンテージを感じたユーザーも多かったことだろう。

【画像13枚】セカンドシートの存在がよく分かるリアからの眺めなど。シンプルにまとまっているので、スポーティーさを損なうことはない




>>ヘッドライトレンズをよく見ると、DAIHATSUの文字が刻印されている。メーカーとしてのこだわりを感じるパーツだ。前期型に比べると大型化され、安全性を高めている。



>>凝った意匠のテールランプ。「Spider」のエンブレムが取り付けられているが、前期型とくらべると、角が丸くなっているという。



>>リアから眺めると、セカンドシートの存在がよく分かる。シンプルにまとまっているので、スポーティーさを損なうことはない。



1970年式 ダイハツ コンパーノスパイダー(F40K)


全長 3795mm
全幅 1445mm
全高 1350mm
ホイールベース 2220mm
トレッド 前/後 1190/1170mm
最低地上高 160mm
車両重量 790kg
乗車定員 2名
最高速度 145km/h
登坂能力 sinθ 0.425
0→400m加速 18.5秒
最小回転半径 4.5m
エンジン型式 FE型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 958cc
ボア×ストローク 68.0×66.0mm
圧縮比 9.2:1
最高出力 65ps/6500rpm
最大トルク 7.8kg-m/4500rpm
燃料供給装置 横向可変ベンチュリー
変速比 1速3.678/2速2.334/3速1.481/4速1.00/後退5.227
最終減速比 4.556
ステアリング形式 ボールナット
サスペンション 前/後 トーションバー式独立懸架/非対称半楕円板ばね
ブレーキ 前後ともデュオサーボ
タイヤ 前後とも6.00-12-4PR
発売当時価格 69.1万円

【2】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年10月号 Vol.195

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


1970年式 ダイハツ コンパーノスパイダー(全3記事)

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