〈広島〉2019年。西日本豪雨災害、被災者が自力では到底解決できないような場所へ|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第47回 中編

広島市西区にて

       
前編から続く

2019年。前年の夏に起こった西日本豪雨、その被災地まで、レディーバードを往復36時間運転して行ってみた、そしてボランティアの現場に入ってみた旅の話です。

【スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第47回 中編】

 SAVE THE HIROSHIMA(STH)は2014年広島市豪雨土砂災害の時にできた支援活動団体。グループの代表、ガイさんはこう言います。「有名人だろうが一般人だろうがヤクザだろうがパンクだろうが男だろうが女だろうがボランティアするうえでなにも関係ありません。作業を一生懸命するタイプか?そうでないか。この2つしか現場ではありえません」

 向かったのは、安芸郡坂町小屋浦。広島市と呉市のほぼ中間で、大雨による土石流で砂防ダムが壊れ15名の死者が出ました。

 災害から半年たち、ある程度の土砂は撤去され、地ならしもされて、ボランティアセンターの地域事務所である「小屋浦サテライト」は一週間前に閉鎖しましたが、まだ土石流の跡は生々しく残っています。公的支援から後まわしになってしまうような、でも被災者が自力では到底解決できないようなニーズはたくさんあるのです。

 今回は、山の斜面にある墓地で、地滑りで倒れた樹木が山積みになっていたのを撤去する作業をしました。単調でキツイ作業です。そんな中、家が土砂に埋まり、お母さんと叔母さんを亡くされたという地元のMさんが、何かと面白いことを言っては、ともすれば黙々としがちになる作業が、ぽんぽんと明るく進んでいきます。「オレは群れるのが嫌いなの!」と笑いながら、STHの人たちと和気あいあいに作業するMさんの笑顔は、なんだか忘れられません。

【画像27枚】生々しい災害の後は残るものの、明るく和気あいあいと作業は進んでゆく





STHのみんなと

小屋浦の復旧、復興に少しでも役に立ちたいと集まった、STHの人たち。別に会員登録があるわけではなく(でも地域の社会保険事務所で「ボランティア保険」には必ず加入します)ニーズがあれば来られる時に来る、というスタンスです。皆さん気持ちのいい人たちで、こうじゃなかったら続かないなあと思いました。作業が終わると、クルマを置かせてくださってる小屋浦の方から、大判焼きと缶コーヒーを振る舞われました。おいしかった!




初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 4月号 Vol.192

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 Vol.47(全3記事)


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後編に続く

text:Rueka Aoki/青木るえかphoto:Rumi Matsusima/松下るみ

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