〈広島〉大好きな広島に、少しでも恩返しはできないだろうか。18時間かけ被災地へ向かった2019年|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第47回 前編

ボランティアグループ「SAVE THE HIROSHIMA」の皆さんと

       
2019年。前年の夏に起こった西日本豪雨、その被災地まで、レディーバードを往復36時間運転して行ってみた、そしてボランティアの現場に入ってみた旅の話です。

【スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第47回 前編】

 東日本大震災の時から、大貴誠はボランティアに行きたかった。正確に言うと「行くことはできないだろうか」と迷っていました。自分も東京都内で帰宅難民になって人の親切に触れて、次は何かを返す番じゃないかと思うのですが、ボランティアは遊びではない。まず一歩踏み出す! のがいつもの大貴誠のやり方でも、やはりいろいろ考えてしまっていたのです。

 そんなある日。テレビで昨夏(2018年7月)の西日本豪雨災害の被災地広島のことが取り上げられていた。今も続くボランティア活動。まだ復興にはほど遠い。「少しでも手を貸してください!」「広島に観光で来て、お金を落としてくれるだけでもいいんです!」。必死な声でした。

 広島はこの連載の取材で何回か行った、すごく好きな場所です。大好きな場所に少しでも恩返しができるかも、とその声に背中を押され、番組サイトにリンクされていたボランティアグループ「SAVE THE HIROSHIMA」(STH)に「ぜひ参加させてください」と連絡して、行くことにしたのです。

【画像27枚】本企画でも何度か訪れ、広島が大好き。少しでも恩返しができればと、ボランティアを決意!



小屋浦の作業①

広島から、まだ規制が残る国道31号線で呉方面へ。はじめて名前を知った「小屋浦」。海に面して山間に伸びるこの地区は土石流の被害がひどいところでした。まず、もとは畑だった場所にがれきが残っているのを拾って軽トラに乗せて処理場に出す。軍手に長靴でケガのないように!





小屋浦の作業②

小屋浦の山間の墓地。丸太でつくった腰かけがぽつんと一つある。土石流で崩れた斜面に山積みの、切り倒された雑木を運び出す。そんな雑木でSTHのメンバーが作ったもの。ふと温かい気持ちになれます。「もうすぐお墓参りに親戚が来るから、お墓のまわりはきれいにしておきたい」その気持ちはすごく分かります。ほぼ3人で軽トラ4杯分の倒木を撤去! 大貴誠がんばった!(3時間ぐらいたったところでいきなり体の電池切れ状態に。5分休んで水飲んで、腰かけで休んでMさんの笑い話を聞いてパワーチャージ、あとは最後まで行きましたよ!)





被災

クルマを走らせてこの光景を見た時は言葉を失いました。「ここにオレんちがあったんだよ」とMさんが教えてくれる場所には、泥だらけの更地が広がっていました。広島市内の人でさえ、被災地がまだこんな状況であることを忘れてしまいがちなんだ、とガイさんが言っていて、まして遠くに住んでいたら考えることすらない。現実を見に行ってみないといけないと思うのはこんな時です。



初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 4月号 Vol.192

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 Vol.47(全3記事)


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中編に続く

text:Rueka Aoki/青木るえかphoto:Rumi Matsusima/松下るみ

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