〈広島〉次の機会があったらまた一歩踏み出せそう。2019年、STHという「学校」で学んだこと|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第47回 後編

決してムリをするのではなく、自分から楽しく参加できることが、ボランティアを続けるのには大切なんだ

       
中編から続く

2019年。前年の夏に起こった西日本豪雨、その被災地まで、レディーバードを往復36時間運転して行ってみた、そしてボランティアの現場に入ってみた旅の話です。

【スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第47回 後編】

 一日終えて、ガイさんと晩ごはんを食べながらいろいろ話をしました。一月末で、STHの小屋浦での活動も一旦終了だそうです。ボランティアが「目的」になって、仕事を「つくる」ようになってしまってはいけないし、被災者の側も「自分の手でやりたい」ことと「人に頼んでやってもらいたい」こととの境界を見極めるのが難しくなってくるからこそ、きちんとした線引きが必要であること。……ちゃんと考える団体であればあるほど、その線をどこで引くかも重要な問題なんだろうなあということは分かります。

 でも、とガイさんは言います。ボランティアはみんなの学校みたいなものだから、ボランティアに気軽に来て、やり方を学んで、そしてこんどはボランティアのことを人に教えてあげられるようになってほしいと。それが「拡げる」ことだから。決してムリをするのではなく、自分から楽しく参加できることが、ボランティアを続けるのには大切なんだと。

 今回、STHという「学校」で学ばせてもらいました。被災地の人たちの気持ちを受け止め、最後まで自分のできることをお手伝いさせてもらおうと、あのテレビの一言が私たちの背中を押してくれました。そしてガイさんたちの迎え入れてくれる姿勢に、なんの心配もなく思い切りやらせてもらえました。

 行ってよかった。次の機会があった時にはまた一歩踏み出せそう。ガイさんの言うように、楽しく参加できるボランティアに。体を使って汗をかいて泥だらけになったら、近所の温泉でひとっ風呂あびてさっぱりして、おいしいものも食べたりしてくるのもいいと思うのです。

【画像27枚】楽しく参加した今回のボランティア活動!次の機会があった時にはまた一歩踏み出せそう。




ぜひ広島に!

いきなりボランティアは敷居が高いという人は、まず広島にいって食べたりのんだりしてみるのも良し。ガイさんが連れていってくれたいきつけの中華そば屋(といいつついろんなおいしいものが出るお店)「たこ坊主」。広島の音楽関係の人がいっぱい来ます。ちょうど来店した「柳ジョージ&レイニーウッド」の上綱克彦さん(ご自分のライブハウスで、震災後からチャリティーライブをなさってるそう)ともボランティア談議に話がはずみ、最後にご主人も一緒に記念撮影。ガイさんは広島のハードコアパンクバンド「GUDON」のメンバーにして、広島市内のレコードショップ「MISERY」のオーナーなのでした。翌日ショップにお邪魔して、ガイさんの素敵な奥さまとも記念撮影。ガイさんがおすすめの横川駅周辺は、古い商店街とマニアックなお店やおしゃれなカフェが同居した面白い町。隠れた広島名物、「ホルモン天ぷら」も食べてきました。ポン酢と唐辛子粉で食べるんです。





行き帰り

行きは16時間ぶっ通しで運転、帰りはさすがに途中1泊して2日がかりで帰るというハードな行程でしたが、やっぱり「レディーバードの旅をする大貴誠がボランティアに行く」ことに意味があると思ったので、がんばりました。しかし、高速道路も新旧で走り心地がぜんぜん違う。新しい道路ならばなめらかスムーズな運転ですが、古い高速はガタガタで、スバルクッションの縦揺れと、穴にはまった時の衝撃が脳天に響きました(汗)。旧車は東名より新東名がお勧め。しかし真冬の夜中の高速修繕工事の人たちには頭が下がります。ありがとうございます。





大貴 誠(だいき・まこと)

OSK日本歌劇団・元男役トップスター。ノスヒロをむさぼり読んでいた日本で唯一の歌劇スター。2010年夏、念願のスバル360を入手。このクルマと一緒に日本中を旅している。詳細はノスヒロ2011年4月号に掲載

大貴誠インスタグラム
https://www.instagram.com/daikimakoto_ladybird/



初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 4月号 Vol.192

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 Vol.47(全3記事)


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前編、中編から続く

text:Rueka Aoki/青木るえかphoto:Rumi Matsusima/松下るみ

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