「現行車のごとく乗れるクルマ」コンセプトを確立しつつあったエンドレスのレストモッド的レストア|ストリートを美しく舞うカルマン・ギア【3】

コーナーリングでも不安を感じることなく走り抜けるパフォーマンスは旧車という概念をくつがえし、クルマとしての楽しさを味わせてくれる

       
【2】から続く

正解のないカルマン・ギアのレストアを完遂したエンドレス。オートサロンでお披露目されたその姿は、エンドレスが導き出した、美しさと走りを両立させた、機能美にあふれる姿だった。

【ストリートを美しく舞うカルマン・ギア vol.3】

美しさ、走り、快適性。さすが、エンドレスのレストア車両といえるクルマが完成した。低めのスタイリングでありながら、一般道を無理なくドラインビングできるクリアランスを保っている。タイヤサイズは205/40R17、ホイールは7Jを履く。ボディに干渉しないように細部にストッパーを入れて対処したというから、簡単にはこのスタイルを完成させることは難しいだろう。トレッド幅もボディいっぱいまで広げす、少し内側に入れて、しなやかな走りを実現。何度もドライビングテストを行った結果から、走りやすさ重視で、今回の組み合わせが生まれたのだ。

クーラー、ナビ、ETCも装備され、快適性も追求している。クラシカルなテイストを残しながらも、現行車のごとく乗れるクルマ。これからのレストアのトレンドとも言える仕上げ方は、走りをよく知るエンドレスならでは。

今回も多数の協力メーカーの手によって完成したカルマン・ギア。重心の低いリアエンジン+低めのシルエットという条件でありながら、美しい曲線を描くフジツボのマフラー配管は必見。同じ職人として、最高のパフォーマンスを発揮して、多くのメカニックが取り組んだエンドレスのレストアが、新しいジャンルを確立しつつあるようだ。

【画像23枚】クラシカルなテイストを残しながらも、現行車のごとく乗れるカルマン・ギアに仕上がっている



>>しっかりと止まることをコンセプトにフロントブレーキに採用されたのはエンドレスのMONO4。φ345㎜のローターと組み合わされた。


>>美しいシルエットのエギゾーストパイプ。リアエンド2本出しで出口手前にサイレンサーが1つずつ配されている。その内側にあるのが純正のヒートパイプエクスチェンジャー。排気熱を暖房に利用する変換器だ。


>>マフラーはフジツボ製。現車あわせで作成され、低いボディシルエット実現に貢献した。パイプエンドには昔のフジツボマークも記されている。


【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


ストリートを美しく舞うカルマン・ギア(全3記事)

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text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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