選択肢が豊富で、正解のないレストア作業を楽しむ|ストリートを美しく舞うカルマン・ギア【1】

オートサロンでお披露目されたその姿は、エンドレスが導き出した、美しさと走りを両立させた、機能美にあふれる姿だった

       
正解のないカルマン・ギアのレストアを完遂したエンドレス。オートサロンでお披露目されたその姿は、エンドレスが導き出した、美しさと走りを両立させた、機能美にあふれる姿だった。

【ストリートを美しく舞うカルマン・ギア vol.1】

1955年にデビューしたカルマン・ギアはドイツのコーチビルダーであるカルマンとカロッツェリアのギアによって生み出された。工業製品の枠を超えて、その美しさは美術品の域に達していたと言っていいだろう。人々は、その美しさに魅了され、そのスタリングは多くの人に親しまれた。

フォルクスワーゲン・ビートルをベースにしていることから、メンテナンス性も高く、拡張性があるため、オーナー独自のカスタマイズがしやすいクルマだった。そんなことから、さまざまなスタイルが誕生し、現在に到るまで、バリエーション豊富なカスタムで楽しまれてきたクルマでもある。よって、カルマン・ギアをレストアする時、どのようなスタイルに仕上げるか、という課題も浮上する。なぜなら、そこに正解がないからだ。

これまで、旧車のレストアを次々とこなしてきたエンドレスにとっても、今回のレストアは困難が多かった。さすがフォルクスワーゲンといえるほど、パーツは比較的入手しやすかったが、年式違いや、いろいろなバリエーションが存在することで、メカニックを混乱させた。また、求めるクルマの方向性をしっかりと決めてやらなければ、作業に取り組めないという場面も。

【画像23枚】パーツ入手の難易度はさほど高くないものの、正解のないカルマン・ギアのレストアは難しい


>>ほどよい低さのシルエットで気品を感じるスタイル。流れるようなラインと力強いフォルムがクルマのキャラクターを一目で表しているかのようだ。


>>これまでのレストア記事を見返してもらえれば分かるが、あの継ぎ接ぎをした状態がここまでスムーズなボディーになっていることに驚かされる。


>>パワーアップチューニングが施されたエンジン。新品のパーツを組み込んで、新車の輝きを取り戻した。

【2】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


ストリートを美しく舞うカルマン・ギア(全3記事)

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text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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