妥協なきものづくりから内製となったパーツたち【8】ENDLESSが挑む 日野 コンテッサ クーペ

エンドレスの描いた美しきコンテッサ

       
ここまでその模様をお伝えしてきたエンドレスが2017年-2018年にレストアした日野コンテッサ1300クーペ。この時、ほぼ完成の姿となって取材陣の前に現れた。横に立つのはエンドレス花里社長。長年の思いがようやく形になった瞬間だ。数多くのレストアを行ってきたエンドレスだが、このコンテッサにつぎ込んだ情熱、時間は今まで以上のモノがあった。社長、メカニック、社員、だれもが納得のいく出来となったクルマだ。今回は東京オートサロン2018展示前に行われたインタビューを紹介する。

【完成した ENDLESS 日野 コンテッサ クーペ 2018レビュー】

【2】から続く

 レストアを進めるうえで、花里さんがどうしても手に入れたかったクルマが日野コンテッサであったことは前出のとおり。長年の思いは現実となり、車両を手に入れ、作業をスタート。そして完成したのがこの姿だ。

 ここまでの状態にするには苦労も多かった。パーツを探していても、企業の大きさから、社長の思いを理解してもらえず、話が頓挫することも。

 そして、解決策として選んだのが、パーツ製造であった。妥協なきものづくりの姿勢がレストアでも表れた。
 社長の思いに同意してくれる企業も多く、コンテッサにかかわるすべての人々が、チームとなって前に進み始める。そして、目標とした「日本一の美しさ」が徐々に姿を表してきた。

 現在、キャリパーの組み込み、マフラー回りの調整など、最終仕上げを残した状態にあるコンテッサ。完成した姿は2018年初頭に開催されるショーでお披露目される予定だ。

 コンテッサの横に立って微笑む花里さんの頭の中には、遠い記憶がよみがえっていることだろう。そして、あっという間に過ぎ去った過去を実感し、これからの未来を期待しているような、気持ちいいほどの笑顔を見せている。

>>【画像20枚】内部の大きなフロア部分を開けると、スペアタイヤの収納スペースが現れるフロントラゲッジスペースなど。赤いカバーにはロックを装着




>> リアエンジンレイアウトのため、フロントはラゲッジスペースとなる。バルクヘッド側に燃料タンクを装備し、重量配分を調整している。








>> エンジンは水冷直列4気筒ツインキャブの1251ccで、最高出力65psを発生させる。冷却用の空気はリアから取り込み、エンジン下を通って排出。エンジン排気とともに、再流入しないように綿密な設計が施された。




初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日野 コンテッサ クーペ(全3記事)

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【1】【2】から続く

text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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