三角窓のゴムが出てこない! ワンオフでレストア【1】ENDLESSが挑む 日野 コンテッサ クーペ

エンドレスの妥協しないレストアが、コンテッサクーペを「熟成」させた

       

ENDLESSが挑む レストア

珠玉のレストア車両を次から次へと送り出すエンドレス。今回のレストア車両は日野コンテッサクーペだ。8月からスタートしたレストア作業は順調に進み、ほぼすべてのパーツが揃った。そして、組み上げる前段階として、各パーツの出来がチェックされている。

【 日野 コンテッサ クーペ Vol.1】

 時は5年前。2018年1月12〜14日に開催されるオートサロンに向けて、エンドレスは1台のクルマをレストアしていた。前回の記事(ENDLESSが挑む BMW 2000 C)でも少し紹介した、日野コンテッサ1300クーペだ。

 日野コンテッサは1961年に初代の900、1962年に900スプリント、1964年に1300が登場。1965年には1300にクーペが追加され、美しいボディラインでクルマ好きを魅了した。

 その美しき伯爵夫人(コンテッサ)をさらに美しく仕上げるために、エンドレスのメカニックが奮闘。
「現存するコンテッサのなかで、最高の仕上がりを目指す」という意気込みが強く、仕上げのこだわりは徹底している。仕上がりに納得できないと、やり直す。そんな作業を繰り返し、8月からスタートしたレストアは、2ヵ月ほどで、ほぼ全体の下準備が完了した。

 取材時点で、後はパーツを組み込んで仕上げるだけなのだが、ごく一部にパーツが出てこない個所がある。アタマを悩ませているのはゴム類。ある程度はリビルト製品があるのだが、三角窓のゴムが、社内でのワンオフとなった。
 三角窓のゴムを再生しているのは同社の花里功社長。仕事の合間にパテを盛り、少しずつ削り出す作業を繰り返している。気が遠くなるような工程であっても、こだわりを持つことで、最後までやり抜く。それは、古いクルマであっても最新のブレーキシステムでも、エンドレスのこだわりを持ったものづくりがそこに息づいているあかし。

 完成のお披露目はオートサンの会場となる。あと約2ヵ月で完成を迎えるスピードに驚くとともに、早く最高の仕上がりを果たした姿を、会場で眺めたいという気持ちも強くなってきた。

>> 【画像39枚】新品パーツを使って、クリアな光を再現したフロントのコーナーランプなど




>> ベース車両はコンテッサにしては比較的いい状態。しかし、いたるところにサビが発生し、穴が開いている場所も。エンドレスに来た時の状態がこれだ。





>> くすんだリアグリル。ランプ類は変色が激しく、そのまま使うことはできない。





>> ウッドの輝きを失ったインパネ。ブラックのレザー仕様であった。





>> ホコリに覆われたエンジン。エアフィルタータンクもサビだらけ。



【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

日野 コンテッサ クーペ(全5記事)

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text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:ISAO YATSUI/谷井 功

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